2022.02.26 更新

いつ、どこで、誰が、誰に、任意後見制度を使って、何を頼んだかは、登記されます。
不動産や会社登記のように、任意後見も登記されるのです。

登記を通じて、「私は、判断能力が不十分になってきても、この人に、これらのことを頼んでいるから、銀行さん、施設の人、その他、よろしくね!」と自分らしさを公的にアピールできるし、取引相手も、登記されている内容に従って仕事をすることになるのです。


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資料4は、実際の任意後見登記です。

1枚目は
いつ、どこで、誰が、誰に、頼んだかが書かれています。
具体的には
任意後見契約と題したところに以下が記載されます。
・公証した公証人が所属するエリア名
・公証人の氏名
・作成した年月日
・登記された年月日

任意後見契約の本人(頼んだ人)のところには
・氏名
・生年月日
・住所
・本籍
が記載されます。

任意後見受任者(頼まれた人)のところには
・氏名
・住所
・代理権の範囲(頼まれた内容)
が記載されます。
NPO法人などに任意後見を頼む場合は、法人名が記載されます。

2枚目は代理権目録です。
このケースでは、1.不動産ほか、2.銀行ほか、3.保険ほか、4.定期的な収入ほか、5.生活費の送金ほか、6.医療契約ほか、7.要介護認定ほか、8.重要な書類の保管ほか、9.居住用不動産ほか、10.税務申告ほか、11.遺産分割ほか、12.家族に後見人をつける手続きほか、をメインに、13.上記に関するトラブル解決ほか、14.ピンチヒッター他の手配、15.1から14までの一切の事項、と合計15種類の仕事を依頼したことがわかります。

3枚目に「同意を要する特約事項」があります。
これは、
1 不動産を買ったり、売ったり、あげたりする場合
2 住まいを立て替えたりする場合
は、任意後見監督人が書面でOKを出さないと、任意後見人といえどもできないよ
という縛りとなります。

これは特約なので、当初から省くことも可能ですし、不要と思ったら、当初から盛り込まないよう公証人に伝えてください。

4枚目は、以上が登記されていることを証明するだけの1枚です。

本件は合計4枚でしたが、特約がなければ3枚ですし、代理権が多かったら4枚とか5枚もあります。

いずれにせよこれは、法務局で登記されているので、法務局へ行くか、郵送で、入手可能です。費用は550円。

これで任意後見人になった!と銀行へ行く人がいます。しかし、この登記をもって銀行へ行ってもお金は下せません。施設との契約もできません。まだ、任意後見が始まっていないからです。

任意後見が正式に始まるのは、頼んだ人の判断能力が不十分になって、その診断書を家庭裁判所に出し、家庭裁判所で調査し、担当裁判官が「じゃあ、始めてください」と審判書を出し、後見人の業務をチェックする任意後見監督人がついてからとなります。

ちなみに、任意後見が始まってからの登記は、「任意後見受任者」が「任意後見人」となります。また、「任意後見監督人」の情報も記載されます。