2022.03.30 更新

任意後見は代理業ですから、仕事が終わり次第、本人のものを本人に戻すことになります。

任意後見が終わるのは、本人が回復した時、法定後見に切り替わった時、本人が亡くなった時、のいずれかです。

一度は後見が必要なほどに判断能力が下がったけれど、手術などで回復して自分で判断できるようになった場合、本人に本人の財産を引き継ぎます。

法定後見に切り替えることで任意後見が終わった場合、法定後見人に本人の財産を引き継ぐことになります。
法定後見人が複数いる場合、財産管理権を持つ法定後見人に引き継ぎます。

本人が亡くなった場合、本人の相続人に引き継ぎます。
相続人が複数いる場合は、そのうちの誰かに渡せば良しとなっています。

本人の相続人がいない場合、家庭裁判所に、相続財産管理人の選任を申し立て、選任された相続財産管理人に引き継ぎます。
相続人がいないので、その財産はいずれ国庫に帰属します。

しかるべき人に財産を引き継いだら、家庭裁判所に、最後のレポートを提出します。
主な内容は
 ・ 本人が亡くなったこと(死亡診断書)
 ・ 相続人に引き継いだ財産(遺産)の目録
 ・ 葬儀などの手配をした場合はその旨の記載
 ・ その他
です。

本人が亡くなっているので、後見人、後見監督人の最後の報酬は、相続人に請求し、相続人からもらうのが正しい運用です。
しかし、相続人以外の人が後見人の場合、「(報酬を)もらえるであろう」という早合点で、報酬をさきに取ってから相続人に遺産を引き渡すケースが散見されています。
このような場合は、家庭裁判所に相談するとよいでしょう。


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最終レポートは、本人が亡くなってから2か月以内に提出するルールになっています。
時間がかかるようであれば、
「相続人との話し合いがつかないので、もう1か月延ばしてください」
「遺産が複雑で遺産目録の作成に時間がかかるので、もうしばらく時間をください」
などと書いて家庭裁判所に提出期限の延長(期間伸長)を申し出てください。
家庭裁判所は許可してくれると思います。

最終レポートを見た家庭裁判所から「これにて終了」と連絡がきたら、業務完了です。
終わるときはあっさりしていて、後見を始めるときのような面接等はありません。

任意後見の登記も自動的に閉鎖されます(資料14)。
資料14を見ると、タイトルが「閉鎖登記事項証明書」となっています。
1枚目の最後に、本人が亡くなったため任意後見が終了したことが記されています。
法定後見に切り替わったときは、また別の表現になります。

後見が終了した元任意後見人に話を聞くと、
 ・ 家庭裁判所に提出する書類作成が少し面倒だった
 ・ 監督人と意見が異なることがあった
 ・ 金融機関の成年後見制度に対する理解がイマイチだった
 ・ 判断能力が不十分でも、本人が社会のなかで取引していることを強く感じた
 ・ 本人にもっと何かしてあげられたような気がする
 ・ 始める時は大変だったけれど、終わった時の家庭裁判所の態度はそっけなかった
 ・ 後見監督人の報酬がなんとなく割高のような気がする
などの声がありました。