2022.03.30 更新

法定後見は、その名の通り、法律で、誰を後見人にするか、何を、いくらでさせるか、を決める仕組みです。
具体的には、家庭裁判所の裁判官が、ヒト、モノ(中身)、カネ、を決めます。

法定後見の対象は、任意後見をせず、判断能力が低下した人です。
認知症の方、交通事故等で高次脳機能障害になった方、知的障害や精神障害を持っている方、などが対象となります。

法定後見は、本人の状態により後見、保佐、補助の3つに区分されます。
後見は、判断能力が常に欠けている状態。
保佐は、判断能力が著しく不十分な状態。
補助は、判断能力が不十分な状態。

法定後見の開始から終了までの流れは、およそ以下の通りです。

 1.申立人が本人の診断書を取る
 2.申立人が家庭裁判所に、後見を始めるよう求める
 3.家庭裁判所が、本人の面接をする
 4.家庭裁判所が、区分、誰を後見人にするか、仕事内容、を決める
 5.家庭裁判所から、申立人に上記4(区分、後見人、仕事内容)を示した審判書が届く
 6.2週間以内にクレームがなければ、上記4の審判が決定する
 7.後見人は、1か月以内に本人の財産を調査し、家庭裁判所に提出する
 8.後見人は、本人に代わって金融機関、介護施設、その他と取引する
 9.後見人は、年に1回ほど、家庭裁判所に業務レポートを提出する
 10.上記9に合わせて、家庭裁判所に後見報酬の金額を決めてもらう
 11.後見人は、本人の口座から決められた報酬を得る
 12.次の1年に臨む
 13.これを数年繰り返す
 14.本人が亡くなると後見が終了する
 15.後見人は、最後の業務レポートを家庭裁判所に提出し、OKが出たら完了
 16.後見の登記が閉鎖される

家族が、家族の後見人になる割合は2割程度です。
本人の金融資産が1000万円以上あると、弁護士などが後見人になることが多いようです。

後見人といえども、以下のことはできません。
 1.外科的手術を受けることの諾否
 2.結婚、離婚、養子縁組の意思決定
 3.遺言を書くこと
 4.どこに住むかの指定
 5.本人が働く場合の雇用契約の締結

後見人は以下の義務を負います。
 1.善管注意義務:本人の財産をきちんと管理する義務
 2.身上配慮義務:本人の気持ちや健康状態に配慮する義務
 3.報告義務:家庭裁判所に本人の財産状況などを報告する義務
 4.守秘義務:本人の情報をむやみに漏洩しない義務

後見人は以下の権利を持ちます。
 1.代理権:本人に代わって、金融機関などと取引する権利
 2.同意権:本人がしたことを肯定し、契約を確定させる権利
 3.取消権:本人がしたことを否定し、契約を取り消す権利
 4.請求権:家庭裁判所が提示した報酬額を本人に請求する権利

法定後見は以下の場合に終了となります。
 1.本人が亡くなった時
 2.本人が回復した時
 3. 任意後見が始まった時