2022.03.31 更新

法定後見は、判断能力が不十分で、かつ、任意後見契約を結んでいなかった人が使います。

最高裁判所が公表している2021年の「成年後見関係事件の概況」によると、認知症が原因での利用者が多く、法定後見の63.1%は認知症の方です。

男女別の割合は、男性が約44.1%、女性が約55.9%です。
65歳以上は、男性の約72.2%、女性の約86.1%を占めます。
年代別では、男性は80歳以上が最も多く全体の約34.8%を占め、次いで70歳代が約28.0%です。
女性は、80歳以上が最も多く全体の約62.9%を占め、次いで70歳代が約19.3%です。

後見制度を利用するきっかけとして多いのが、銀行から後見を使うよう求められたときです。介護施設に入るときや、不動産を処分するときにも、後見制度を使うよう、施設や司法書士に求められることがあります。

知的障害や精神障害がある方の場合、本人の親御さんが亡くなり、相続が発生したときに、税理士などに後見制度を使うよう求められることが多いようです。最近では、これまで何事もなく利用してきた施設から、後見制度を使うよう言われるケースも増えています。
「後見制度を使えば更新期間はこれまで通りの3年だが、後見制度を使わない場合は1年ごとの更新に変更になりました」という施設も登場しています。

交通事故や労働災害の場合、裁判や保険会社との交渉で後見人を使う必要が生じることもあります。会社を休んだり、退職するときの手続きで後見人が必要になることもあります。また、悪質商法対策で法定後見を使うこともありますが、多くはないようです。

「認知症だけど後見人が必要か?」「障害があるけれど、後見制度を使わなければならないのか?」「『後見』を使うほど認知症は進んでいないと思うが、『保佐』でよいか?」という相談はたくさんあります。
自分で決める任意後見と違い、法定後見は後見人や後見人の報酬等を家庭裁判所が決めるので、利用に慎重になる人は少なくありません。

法定後見を使うかどうか迷っている人が周りにいる場合、法定後見の必要度をチェックしてみましょう。下記で該当するものが多いほど、法定後見の必要性は高いと言えるでしょう。

 1.本人は、認知症や知的障害、精神障害の診断を受けている
 2.本人は、自分の名前を書けない
 3.本人のことで、親身になってくれる家族がいない
 4.本人は、自分のお金のことを頼みたいと言える人がいない
 5.本人は、自分名義の預貯金口座がありキャッシュカードも持っているが、その暗証番号を覚えていない
 6.本人は、金融機関等から「後見人を立てないと取引できない」と言われている
 7.本人は、自分の財産を親族に勝手に使われているかもしれない

該当するものが少なければ、後見制度はまだ使わなくてもよいかもしれません。多ければ、法定後見制度のどれを使うか、あるいは、他の方法でなんとかならないか検討してみましょう。