2022.11.17 更新

保佐というのは、要介護度でいえば2から4といえるでしょう。

民法第11条の保佐の定義は「精神上の障害により、事理を弁識する能力が、著しく不十分である者」です。

“精神上の障害”とは、後見同様、認知症やうつ病のことを指します。

“事理を弁識する能力”というのは、後見同様、お金が絡むことに関する損得勘定ができるか、ということです。

ややこしいのが、それが“著しく不十分”ということで、辞書的に訳すと“完全ではないことが明らかな場合”となります。

例えば、相続の時に、いくら欲しいかと聞かれて「わからない」と答えた場合、自分の取り分をいくらにしようかと迷っているのか、そもそも何をすべきかがわからないのか、を見分けることは外形的には不可能です。それは本人の内心だからです。


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家庭裁判所の定義を紹介しましょう。

さいたま家庭裁判所では保佐相当を、「支援を受けなければ,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができない」とし、具体的には、「日常的に必要な買い物程度は単独でできるが,重要な財産行為(不動産,自動車の売買や自宅の増改築,金銭の貸し借り等)は自分ではできないという程度」と表現しています。

後見相当については「支援を受けても,契約等の意味・内容を自ら理解し,判断することができない」とし、具体的には、「日常的に必要な買い物も自分ではできず,誰かに代わってやってもらう必要があるという程度」と表現しています。

日常的な買い物が単独でできれば保佐、できなければ後見ということでしょう。

似て非なる後見と保佐ですが、実務上は、大きな違いがあります。

常に何もできない後見の場合、できないことが何かを決める、逆に言えば、できることは自分でやってもらうので省く、という作業がありません。


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これに対し、できないこととできることが共存する保佐においては、資料16の「代理行為目録」の中から、事案に応じて必要な代理権を家庭裁判所が保佐人に与えることになっています。
代理権が3個しか必要ない人もいれば、6個必要な人もいるように、事案によって代理権の範囲が異なります。その意味で、保佐の方が後見より、家庭裁判所の手間が多くかかるのです。

なお、資料17の「同意行為目録」のすべてが、自動的に、保佐人に与えられます。
同意権については別に説明しますが、保佐の場合、同意権は自動的に与えられると覚えてください。

比較論ですが、保佐より軽い補助の場合、代理権は保佐同様、個別に必要に応じて選びますが、同意権もリストの中から必要に応じて選ぶことになっています。
つまり、後見より保佐、保佐より補助の方が、手間がかかるのです。

漢字の問題ですが、「補佐」じゃないのかという人がいますが「保佐」です。
固有名詞なのでそのまま覚えるしかありません。