2022.12.30 更新

「同意権」は、法定後見の最大の特徴です。

法定後見人、すなわち、後見人、保佐人、補助人がついた被後見人、被保佐人、被補助人は、単独で、売ったり買ったり、貸したり借りたり、あげたりもらったりしても、それがそのまま有効な取引になるわけではありません。その取引は、法律上、取り消されることがありうる状態に置かれます。

そうしておいて、後見人、保佐人、補助人が、取引の相手方に、「本人が単独でしたその取引について同意する」というと、その取引が確定します。
これが、同意権の意味です。

何でもかんでも「同意権」の対象にすると面倒なので、実際は、3万円以下の取引はその対象にせず、3万円以上の、例えば、パソコンくらいの金額の物から同意権の対象にしていくのが一般的です。

同意しない場合、後見人、保佐人、補助人は取消権を使います。
例えば被後見人等が単独で携帯電話を買ってしまったら、「この取引を無かったことにしてください」と売った相手に伝えるだけで、無かったことにできるのです。
クーリングオフに近いようですが、クーリングオフは、自宅に訪ねて来た人に売られたような場合で、かつ、8日間以内であれば無かったことにできるという条件がありますが、法定後見の取消権は、5年前までさかのぼって、どのような経緯での取引であれ、無しにできるという点で、よりパワーがあります。


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資料17は、民法に定められた「同意行為目録」です。
保佐の場合は、自動的に全ての権利が保佐人に付与されます。
補助の場合は、何が必要か本人と確認しながら、最終的に家庭裁判所が決定し、補助人に付与します。

同意を要する行為の対象は、下記の18項目プラス個別となっています。

  • 預貯金の払戻し
  • 債務弁済の受領
  • 金銭の利息付貸付け
  • 金銭消費貸借契約の締結
  • 債務保証契約の締結
  • 本人の所有の土地又は建物の売却
  • 本人の所有の土地又は建物についての抵当権の設定
  • 贈与又は寄附行為
  • 商品取引又は証券取引
  • 通信販売(インターネット取引を含む。)又は訪問販売による契約の締結
  • クレジット契約の締結
  • 金銭の無利息貸付け
  • 訴訟行為
  • 贈与,和解又は仲裁合意
  • 相続の承認若しくは放棄又は遺産分割
  • 贈与の申込みの拒絶,遺贈の放棄,負担付贈与の申込みの承諾又は負担付遺贈の承認
  • 新築,改築,増築又は大修繕
  • 山なら10年、土地なら5年、建物なら3年、金銭なら半年を超える賃貸借
  • その他

例えば、被保佐人が、孫に入学祝として10万円をあげたとします。
それに対し保佐人がダメと言ったり、入学祝をもらった孫に「返しなさい」と言ったとします。
すると、被保佐人であるおじいさん・おばあさん、もらった孫も、「なんで?」となるでしょう。

このような時は、家庭裁判所に直談判できることになっています。
「保佐人の同意に代わる許可審判」の申し立てをするのです。
これは、補助でも、厳密には後見でもできますので、そのような場合、怒らず、この仕組みを使ってみましょう。