この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。
No.47/2010.2.25(木)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出の ちから」

今号は、その19 <昭和54年>1979年のできごとロジー

●<話題・世相>三菱銀行猟銃人質事件
英国サッチャー首相誕生
中・越国境紛争
日本語ワープロJW−10(630万)・NEC PC−8001(箱だけで17万)・シャープカード電卓(8千円)発売
自動車電話サービス開始、携帯電話の先駆け
●<流行語>ウサギ小屋・キャリアウーマン・熟年・ダサイ・ナウイ・江川る
●<ヒット商品>軽自動車スズキアルト・ウォークマン・キヤノンオートボーイ・ぶら下がり健康器・超音波美顔器
●<物価>国鉄初乗り100円・ビール215円・大卒初任給11万2500円・封書50、ハガキ20円
●<はやり歌>魅せられて・関白宣言・ヤングマン
●<その他>共通一次学力試験実施

★出典=ザ・20世紀より

※IT時代の先駆け、OA時代の幕開け?

<小さな特集> 老の負、笑い飛ばす!
川柳のちから


藤木亘「小さな画室」より<JR原宿駅の駅舎>
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/

ユーモアセンスで現代をサラリと風刺!世の中のことは、いつまでも関心を持ち続けたい!シニアの間で川柳ファンが増えている。
川柳を楽しく学ぶ教室や、川柳専門の投稿サイトも数多い。一方、企業や団体の公募企画も花盛り。川柳コンクールへの応募者数も年々増加の傾向をたどり、若者の
新語表現に負けないシニアの気概に満ちた作品が寄せられている。

「シルバー川柳」は9年目。今年は1万558点の応募があった。最高齢者は102歳の女性だったという。
 五十年かかって鍋と蓋が合う
 夫婦仲社会福祉と妻は言い
 万歩計つけて帰りに車呼び

ことしの傾向は「百年に一度の不況にも、からだを気づかい高齢者特有の容姿・しぐさ・物忘れなどの負い目を笑い飛ばしつつ前向きに生きようとする様子がうかがえる」という、主催者のコメントがシニア川柳の人気を言い当てている。

応募資格が60歳以上というコンクールもある。
 ときめきが動悸にかわる古稀の恋
73歳が読む句だから許される句もあると、「天声人語」(2月15日)でも紹介するのは、全国老人福祉施設協議会の第6回「60歳からの主張・川柳部門」に寄せられた作品。
 カラオケで美声聴かせて入れ歯落ち
 日本発武士道にない派遣斬り
など、老いの負い目を笑い飛ばす句から、硬派の事時川柳まで今年も傑作が集まった。

70歳 オラが村では 青年部
シニア専門ではないが、恒例となった第一生命「サラリーマン川柳」は、23回目の老舗。今回も2万9千215句の応募の中から入選句100句をホームページに公開、読者の投票でベスト10を選ぶ仕掛け。シニアらしい作品を選んで見た。
 70歳オラが村では青年部
 咳すれば視線感じるバスの中
 読めませんデコメ・横文字場の空気

共白髪 これが二人の マニフェスト
「いい夫婦川柳コンテスト」は、今年4年目。ここも昨年より1万句多い2万2千句が集まった。
 喧嘩したそれでも風呂は沸いている
 同じ絵の中に夫婦で生きていく
 共白髪これが二人のマニフェスト
夫婦の年輪や、生活の機微を描きだす。

「今川乱魚ユーモア川柳大賞」も10年の歴史を持つコンクール。
 近頃の男は草を食うらしい
 腹が立つと妻は丁寧語に変わる
 年金が待ち遠しいと孫が言う
など、道場も多いせいか時事川柳に長けたベテランが多い。
企業や製品のPRを目的にした公募もメジロ押しだ。「おーいお茶新俳句」(伊藤園)は累計応募総数が何と1770万句を超え、日本最大規模のコンテストに育った。
TOTOの「トイレ川柳大賞」にも、シニアの作品が大賞になった。
 百年に一度も長寿なればこそ
シニアなればこその作品。薬業界の「クスリ川柳」や「花粉症川柳」、「エコ川柳」などはさしずめ専門コース。

「ケアマネ川柳」というのもある。日常のケアマネ業務で起る何気ない出来事をユーモアで表現する。
 90で老後のためと日々節約
など、実感がこもる。

シニア生活を川柳で笑い飛ばす。「シニア・ユーモア川柳サロン」の愛称は「しにあ・せん」(死にはしない)。初心者のための「ユーモア川柳入門教室」も、毎月第3月曜日午後に東京・秋葉原で開く。
<URL/http://www.senior-daigaku.jp

★「一筆啓上」の福井県「日本一短い手紙」も伝統あるコンクールだ。平成5年から始まり、10回の今回で応募累計100万通を突破した。記念CDは、サイトで見ることもできる。
 子どもの受験に親の介護、夫の減給に我が更年期!! いまこそ笑え、笑え、笑い飛ばしちぁえ!!
これが今年の最優秀作。 

★こうした川柳やコンクールの公募情報を知る便利なサイト「川柳三昧」は、「世知辛い世の中だからこそ、笑い飛ばす、明るく語りかけ元気を分け合う!」と川柳の効用を説く。『月刊公募ガイド』も、川柳コンクー情報にくわしい。 <URL/http://www.maruoka-fumi.jp/whatsnew.html

「不安」がいっぱい! 「安心」をください!

★民間介護大手が老人ホーム新設を本格再開…業績低迷で凍結していた民間大手が介護施設の新設に乗り出す。現在60カ所を運営するセントケア・ホールディングは、今年度から3年間でグループホームなど45か所を新設する予定。ニチイ学館は12年3月までにグループホームを約60か所、有料老人ホームを約20か所設ける。他社も積み増す予定。人材確保が容易になり、自治体による実質的な規制が緩和されたことによる(日本経済新聞2.13より)

★SLAによる全国一斉電話相談「シニアの悩み110番」…今年も3月27・28日の両日、全国シニアライフアドバイザー協会の主催、(財)シニアルネサンス財団の後援により、北海道、東北・関東・中部・関西・中国、東中国、九州の8ブロックのSLA協会が連携して一斉電話相談を実施する。相談内容などの傾向分析もおこなう。
開設日時/3月27日(土)・28日(日) 午前10時〜午後5時
相談内容/家族・一人暮らし問題・福祉・介護・生きがい・終の棲家・健康・医療・就労など
相談員/シニアライフアドバイザー
問い合わせ/東京都千代田区九段南3−5−10 九段菊江ビル3F
(財)シニアルネサンス財団内「全国シニアライフアドバイザー協会」事務局
担当/石寺弘子 電話:090−5999−7662(石寺) slanet428zenkoku@gmail.com

★独り暮らしは認知症のリスクも高い? 配偶者やパートナーと同居の場合と比べて、非同居(死別・離別・独身)の場合は、認知機能の低下が2.89倍と多く、アルツハイマー(AD)のリスクも2.83倍高いという研究結果が学会誌に発表された。中でも中年期から老年期の死別による非同居の場合では、認知症の低下が3.53倍、アルツハイマーのリスクが7.67倍と特に高かった(朝日新聞1.25「やさしい医学リポート」)(英国医学雑誌での話だが)

★狭くてもいいが、数が足りない軽費老施設…東京都の「都型ケアハウス」構想。居住面積基準を現在の13畳(22平方メートル)から4畳半(約7平方メートル)にし、入居費も10万円程度に抑える。民間への助成を含め、来年度から3年間で2400人分を増設するプラン。厚労省も東京23区、大阪、名古屋の一部でこの基準認める方針。ケアハウスは07年時点で全国に2059施設(約8万6千人分)あるが、都内には50施設(2858人分)しかない!(まだまだ足りない!)。

★医療行為できる「看護師」が誕生するかも…高齢化や在宅医療が増え、看護師の医療行為が論じられているなか、厚労省は新資格の「特定看護師」(仮称)を提案している。医療機器もどんどん変わっているし、いいと思うが日本医師会は反発。(前途多難!)

★全国で介護施設に入居している高齢者は110万人…年間6万人のペースで増えるが、特別養護老人ホームなど公的な施設の新設が進まないため入居待ち状況は変わらない。
認知症の高齢者は、05年の205万人から25年には323万人、35年には445万人に増えると推計される(厚労省)。このうち入院患者は5年時点でも約8万3千人おり、入院も長期化する傾向にある。一方、統合失調症や認知症患者の「社会的入院」をなくそうと、国は約31床ある精神病床を2015年までに7万床減らすことを目指す。(どうなる!医療!)

★65歳以上は「遺言適齢期」?…相続をめぐる紛争を回避するため遺言書を作成する人が増えている。全国の家庭裁判所の調停事件のうち、遺産相続(分割)は1万8600件と全体の8.3%を占める。08年統計の公正証書による遺言は7万6436件で、10年前に比べ39%増加した。公正証書以外の「エンディングノート」等を作成する人も増えていて「遺言敵齢期」?の新語も生まれている。(何にでもある適齢期)

★特養の待機者は全国で42万人…前回(06年)調査より約3万61千人増。このうち在宅待機者が約19万9千人(47.2%)と約半数を占め、前回の43%から増えた。また要介護4以上の重度な待機者は全体の42%に上った。厚生労働省の調査。各都道府県が持つ08年4月以降の数字の集計で、実人数に近い待機者が明らかになったのは初めてと各紙。

★「いのちを守る予算」かどうか?…国の予算は、大きすぎてピンと来ない!区民の予算は、額こそ小さいが身近でお金のありがたみ、温かさが伝わる。例えば…
◇一人暮らしの高齢者が地域で暮らし続けられるようホームヘルパーや看護士が常駐する高齢者向け優良賃貸住宅の整備に6億45万円(品川区)
◇高齢者支援、障害者福祉、介護保険分野のサービスを総合窓口一本化に3億4200万。「すぐやる担当課」新設する。「すぐやる課」は23区で2番目(葛飾区)
◇高齢者と子どもの総合施設に21億4700万円。待機児童対策に13億7700万円(南部地区で人口増の江東区)。

★一般住宅にも火災報知器を義務づけ…以外と知られていないが2011年6月までに消防法で義務づけられるのに伴い、各市町村で義務づけられる。住宅火災による死亡者は、年間1000人を超え、その6割は65歳以上の高齢者(火より怖い煙!)

★医療費の個人負担、じわりと重く?…4月からの診料報酬改定で治療代などの自己負担額が上がる。難易度の高い手術は30%〜50%の大幅引き上げ、救命救急センターの入院料加算は5000円から1万円に倍増。下がるのは開業医の再診料が710円から20円下げ病院は90円上げ。評判の悪かった後期高齢者医療制度の定額払い制度は廃止、4月からは診料ごとの負担となる。(難解!要注意!医療はいくらかでも改善されるのか???)

★女性のウエストに厳しい!メタボ腹囲80センチ…全国40〜70歳男女3万6000人を対象に高血糖、脂質異常、高血圧などと腹囲の関係を調べた結果だと、厚生省の研究班が発表、論議がわいている。今までの数値はどうなの? 数センチならともかく、何でこんな大違い? 世界では腹囲を最重視しないetc.

第18回文学歴史散歩
■文士の故郷「本郷」コース


前回、柴又コースの「矢切りの渡し」風景

本郷と言えば、直ぐ思い出すのは東京大学。東大は夏目漱石、芥川龍之介、川端康成など、多数の一流の文士を輩出した文学の名門である。一方、大学とは無関係ながら、貧乏生活をしながら文学と闘っていた人もいた。樋口一葉と石川啄木である。文学散歩の古典とも言える、愛好者の多いこの地を歩いてみたいと思います(酒井) 
◆実施日/平成22年4月4日(日)(小雨決行)
◆集合/地下鉄南北線「東大前」駅1番出口10時
◆コース/(総計約4km、3時間コース):@徳田秋声旧宅 A蓋平館(石川啄木下宿先) B伊勢屋(樋口一葉馴染の質屋) C菊坂・樋口一葉旧宅跡(井戸) D菊富士ホテル跡(多くの作家の下宿先) E坪内逍遥旧宅跡 Fふるさと歴史館(文京区遺跡・休憩) G喜之床(石川啄木旧宅跡) H法真寺(樋口一葉幼女時代の旧宅) I東大三四郎池  解散:地下鉄南北線「東大前」駅
◆昼食:東大レストラン又は学生食堂
◆案内人/酒井文夫SLA
◆参加費/300円
◆問合せ・申込み先/SLA東京
TEL:03−3501−3507 FAX:03−3501−3508 shinsei-ad@tea.ocn.ne.jp

次回、第16回「シニア住宅見学会」は平成22年4月末に予定しています。


<短信>会員消息
★一條満二・美瑳子さん「ORO147絵画展(水彩・油彩)」
二人とも定年後に始めた絵画、これまでにも個展や二人展を開いてきたが金婚式を迎える今回は、恩師や仲間の賛助出品もあわせた作品展。
会期/3月24日(水)〜3月28日(日) AM10:00〜PM5:00(最終日はPM4:00まで)
会場/船橋スクェア21 船橋市民ギャラリー3F第1展示室(船橋市本町2−1−1 TEL:047−420−2111
★「気ままサロン」…2月6日、「配偶者を失った人たちを支える会・気ままサロン」の佐藤代表のお話を聞く機会があった。大病後も会員のために駆け回る毎日。死別者は全国で917万人…が同じ思い。社会問題でもある。気ままサロンの基本理念は「一人でも独りでなく」、「自分だけじゃないが、やはり自分」。身辺に輪ができ、連環になるのが理想とも。 http://enjoy1.bb-east.ne.jp/~kimama-salon
★SLA神奈川「市民活動フェアー2010」に参加…昨年に続き3月13日(土)・14日(日)の2日間、かながわ県民活動サポートセンターで開催される市民フェアー参加する。SLAのブースは4階405号室(30人部屋)。シニア向け相談コーナーやフリーマーケット、作品展示、パソコン何でも相談などを行う。
★シニアカレッジ八千代(校長・辻内京子さん)YU−I 楽座を旗揚げ。ハーモニカ、手品、ヴァイリンで施設訪問。4月2日は8期生の開校式。新たに中国語講座(ニイハオ入門)。川柳教室は好評につき新年度も継続(落後者なく、新規会員募集中) 
★男の料理教室 大山祥子さんは管理栄養士らの「NPO健康食生活サポートチーム」メンバーと杉並区で毎月「男性料理教室・梅の会」を開いている。教室には40代を含む60〜70代の高齢者20名ほどが参加、大山さんら4名の指導で実習する。毎回バランスのとれたメニューの工夫と、お互いの趣味など会話を楽しむことも大切にしている。参加実費は約700円。
★パソコン教室(神奈川)…新型ソフト「7」の話も交えて。3月18日(木)、4月15日(木)いずれも13:00 16:00 場所/かながわ県民センター6階601号室 問い合わせ/TEL&FAX:045−581−0377(伊東)


<気になる言葉>

<ややこし日本語>編
今号は、川柳特集にあわせ時事問題の話をひろってみました。

「不具合」と「欠陥」とは、似ているが、対応の仕方は大違い(リコール問題)
「マニフェスト」とは、@政権公約 A産業廃棄物などの届け出書類のこと(国会)
「膏薬」は、貼れば役に立つクスリ。「公約」は、未だ役に立っていない「口約束」
「ふんべつ」(分別)のない人は、「分別」(ぶんべつ)しないでゴミを出す(環境問題)
「けじめ」と「いじめ」。言う側によって、言い分あり平行線(角界のしきたり)
負けても、カーリング人気燃え!萌絵、杏菜、麻里、琴美、麻葉ちゃん人気(冬季オリンピック)
「イクメン」(育児に熱心な男性。「家事や育児に、今以上に関わりたい」と答えた男性父親は54%と増えている。ベネッセの調査)。「イケメン」の「イクメン」もいる(新語)
「自民はキライ」、「民主はダメ」。どっち向いても…(どっちも、どっち)
「高速」と「低速」。無料すると渋滞。カーフェリーは反対!半額にしてみたら?(無料化実験)
「東京タワー」と「東京スカイツリー」。地元の皆さんには悪いが、やっぱり東京タワーがいい(スカイツリー工事、高さ300メートル超える)
「オニオンスライス」?今月亡くなった作家・立松和平さん。初めて都会の食堂で頼んだメニューがこれ。一番安かったのと、ライス(ご飯)がついていると思ったのよ(と、栃木訛りで…)
金か銀か銅、やっぱりメダルが欲しい? 「参加することに意義がある」はどこへ?(金がいい)
女性のメタボ腹囲「90センチ」から「80センチ」へ。食べたいケーキを我慢してやっと2センチ縮めたのに!なんでー?(厚労省研究班に聞いて)
車中で化粧する女の子。「気になる」、「気にならない爺」。「まつ毛は、ああいうピンセットで曲げ加工するんだな、と感心しながら眺める。(元技術者)
家計が苦しい。安い野菜「もやし」の売上げが2年連続で伸びていると総務省の家計調査。(むかし、「貧乏人は「麦飯」を食え!」と言った大蔵大臣がいた)
診療所で20円下がって、歯医者さんで20上がって…おあいこ?(大きなツケがあとで来る)

◆現代風デジタル感覚では、「翌朝の2時とか、4時まで仕事をした」などの時間の区切りから「26時」とか、「28時」という表現をするそうだ。昔は、夜業(夜なべ)と言った。日本語がますます難しくなりそう◆一年を24等分して季節の微妙な移り変わりをはかる「二十四節気」。3月6日は「啓蟄」。冬ごもりしていた虫たちも動きだす。私たちもせいぜい外へ出よう(岡)

SLAの情報交差点
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