この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。

No.49/2010.7.15(木)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出の ちから」

今号は その21 <昭和56年>1981年のできごとロジー

●<話題・世相>神戸ポートピア81開催
五つ子誕生
ロッキード裁判・ハチの一刺し証言
チャールズ皇太子、ダイアナ妃結婚式・ロス銃撃事件
●<流行語>粗大ごみ・えぐい・なめネコ・クリスタル族・フルムーン
●<ヒット商品>紙オムツ、ムーニー・ポストイット
●<物価>
国鉄初乗り110円・ビール240円・封書60円、ハガキ30円・大卒初任給12万5千円
●<はやり歌>ピンクレディー引退・長い夜・ルビーの指輪・お嫁サンバ
●<その他>新種の鳥ヤンバルクイナ発見
●<物故>伴惇三郎、谷内六郎、向田邦子、市川房枝。

★出典=ザ・20世紀より

   *「粗大ごみ」・・・誕生。その後、「ぬれ落ち葉」 「産業廃棄物」などへ・・・樋口さん、次は?

<小さな特集> 無縁社会2
夏祭り の ちから


藤木亘「小さな画室」より。文京区本郷「炭団坂」
(むかし、炭団を作る家が多かった。急坂で転んだのでこの名がついたとの説がある) http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/

★ずいぶん昔のことだが、毎年繰り返される夏の帰省ラッシュの光景を「先祖が呼んでいるのだ」と言ったのは評論家の扇谷正造氏だったと記憶している。旧盆の帰省や、夏祭りの旅行客で賑わうのは今も変わりない。「帰省」を大辞林で引いてみた。
【帰省】き-せい [名](スル)故郷に帰ること。また、郷里に帰って父母を見舞うこと。帰郷。「墓参りに--する」<季・夏>「なつかしや帰省の馬車に山の蝶/秋桜子」

★夏祭りは、祖先の祀りでもある。この地に祖先を持つひとに限らず、近年は個人旅行の浸透で周遊しやすくなったこともあり、とりわけ東北の夏祭りに人気が集まっている。
青森と弘前の「ねぶた」に、秋田の「竿灯」に仙台の「七夕」、そして山形「花笠まつり」と、みちのくの夏祭りがつづく。「仙台七夕」には3日間で20万人を超す人出、「青森ねぶた」も、6日間で320万人が押し寄せ、経済効果は約500億円と大きい。
長い渋滞にもめげず出かけるのは、祭りの楽しさもさることながら、先祖や兄妹、幼な友だちが待っているからに違いない。

★日本のお盆は、「新暦の盆」、「月遅れ盆」、「旧暦の盆」などで営まれる独特の風習だ。東北や関東北部、中国、四国、九州などは旧盆でおこない、「月遅れ盆」は北海道、長野、新潟、関西地方で多く見られ、東京や横浜など大都市圏では「新暦の盆」など、国や自治体の決めごとはない。西や東の偏りもなく、多くは各地の伝統的な祭りのスケジュールを優先したものになっている。夏祭りサイトもお楽しみください! http://www.club-t.com/bus

★「お盆はいつから、いつまでなの?」、「東京は新暦?」、「お盆の間は、ご先祖様はお墓から家に戻って来ているから、お墓に行っても仕方ないと聞きましたが・・・」。「お彼岸はお墓へ、お盆は実家の仏壇で・・・」など、若い世代の間での公開ブログを見ていると、宗派や “所変われば”、風習によっても違うため、なかなか“ベスト回答”が出ないのがかえって面白い。

 

お墓も、葬式も「個性」の時代?

★親から子へ、子から孫へと、命の流れは誰しも否定しないものの、世代間や価値観によっては「家族」への意識が微妙な“すれ違いを”を起こしている言われる現代。先祖の墓参りや、これから「終の棲家」の墓を得ようとする人にも、「家族」(家墓)から「個人墓」へ多様な変化をみせている。首都圏の場合に、その傾向は顕著のようだ。

★「お墓も個性化の時代・・・」といった記事や広告が目につく。ガーデニング霊園、ペットと一緒に眠れる霊園、ついに露天風呂つき霊苑まで現れた。
核家族化や少子化が進む中で、「何々家」や「先祖代々の墓」を継承するものという認識が薄らいできたことが背景にあるようだ(7/14朝日新聞)

★そう言えば、シニアの文学歴史散歩などで寺院を巡ると、最近このタイプの合祀墓がますます増えていつるのに気づく。一方、お寺さんの新製品タイプは「永代供養システム」をうたう「個人墓」である。生前に申し込むことのできるが特徴だ。納骨の形もロッカー式や、仏壇式の納骨堂(集合墓苑)などさまざま。コンピュターで呼び出せば格納された墓碑が出てくるハイテク型もある。価値観の合う何人かが会員組織で生前に交流し、会員が供養する「共同墓」もふえているという(6/29読売新聞)。
お墓も自分(個人)だけのもの、一代だけのものに・・・墓だけが家族の絆をつなぐカギとは限らないが、「個性」の代わりに大切なものを失っていないか気になる!

★葬式の形も変わってきている。“天国へのお引っ越し”をキャッチフレーズに7年前、遺品整理専門サービスをはじめたキーパーズは、散骨、海洋葬ビジネスをはじめた。
創業者の吉田太一さんが書いた遺品整理屋は聞いた!『遺品が語る真実』(青春出版)/現実ブログ「遺品が語る事実」が反響を呼んでいる。 http://blog.goo.ne.jp/keepers_real/
後発の遺品整理サービス会社もつぎつぎと誕生している。海洋葬、樹木葬を扱う業者のホームページも同様にふえている。先頃のペットの遺骨でトラブルをおこした某運送会社を連想してしまう。

★「眠っている“昭和の思い出”、整理・片づけのお手伝いします」とうたう大田区に本社をおくD社は、電機製品の回収に行った先で、痴呆がはじまった母親の「部屋を片づけて・・・」と息子さんからの依頼をきっかけに立ち上げたという。着物や宝石もあるので女性スタッフが好評だとも。「昭和の思い出の片づけが得意」とは?明快な答は聞けなかった。このあたりの年代層がターゲットなのだろう。

★遺言を残す理由は、「遺品の整理で面倒をかけたくないから」・・・「あなたは遺言を残しますか」と聞いたら、「はい」59%、「いいえ」41%。残す理由は「遺品整理に面倒かけたくない」、「葬式について要望したい」、「遺産でもめたくない」の順で多かった。
どんな形式で残すか?では、自筆証書遺言64%、エンディングノート21%、公正証書7%、遺言信託3%、その他が5%だった。個々のケースには、遺言のためにかえって問題が起きたといったケースも見られ、遺言を残しても、残さなくても「争族」は絶えない。遺産が少ないほどもめるケースがあった(朝日新聞Beモニター)。


昔の柴又の風景。トロッコ、お地蔵さん、土手滑りあそび(寅さん記念館のジオラマ)

「不安」がいっぱい! 「安心」をください!

★ペット人口(?)は、2234万。子ども人口を上回るペットを飼っている6割の人が「ペットは家族だと思う」、室内で飼い、一緒にドライブや旅行に行く。ペット霊園に埋葬したい、と答えている。ペット同伴可の飲食店や宿泊施設も増える傾向にある一方で、「ペットは迷惑」、「マナーがなっていない」など、トラブルも目立っている。そこで、ペットの「しつけ教室」が繁盛とか。ペットとの旅行で、飼い主の最も不安な点が「マナーとしつけ」だという。ペット市場は2010年に約4200億円、前年比も31%近く伸びると予測する(富士経済)。こども人口は1690万人(平成21年)。比較するのもヘンだが、ペットますます増え、子ども、ますます減る。 

★不評の「もみじマーク」に代わるデザイン案? 75歳以上に罰則付きで義務づけたが、不評で「努力義務」になった「もみじマーク」。公募の1万4500点から四つ葉のクローバーや鳥などを図案化した中から秋までに選ぶという。どの図案に決まっても「不評」を呼ぶだろう。そこで提案したい!「このマークを付けていたら「優先駐車」できます」案が良い!

★医療・介護の拠点、認知症高齢者施設は、まだまだ少ない地域医療連携した認知症高齢者を受け入れる切り札的な施設と位置付けられる「認知省疾患医療センター」は、全国で73か所しかなく、厚生省が目標としている150か所の半数に満たないことがわかった(朝日新聞しらべ)。厚労省の研究班は、団塊世代がすべて高齢者になる5年後には、認知症患者は350万人にのぼり、医療センター380か所以上が必要とみられている。

★特養の待機者調べを断念!それでどうする?特養へ入所希望をしながら入れない待機者は昨年12月で全国約42万1千人いると、このメルマガ先号でも伝えたが、厚労省(老健局)は実態調査を断念するという。理由は、「定義がマチマチで、都道府県によって調査方法も異なっているから」。老健局は、医療、年金、保険など高齢者にとって頼りのお役所。数字だけに頼らない「実態」を早くつかんで欲しい。

★「全世界が、もし100人の村だったら」…が、話題になっている。現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで100人の村に縮小すると・・・その村には57人のアジア人、21人のヨーロッパ人、14人の南北アメリカ人、8人のアメリカ人。 52人が女性で48人が男性。70人が有色人種で30人が白人。6人が全世界の富の59%を所有し、その6人ともアメリカ国籍。70人は文字が読めず50人は栄養失調に苦しんでいる・・・など。原文は貧富や平和をうたった詩。小さくて大きな、気になる数字。

★最新、平成22年度版の「高齢者白書」から、いくつかひろってみました。
(1)65歳以上の高齢者人口は過去最高…29,01万人。性比(女性人口100人に対する男性人口)は74.7となった。総人口に占める65歳以上の高齢化率は22.7%(前年22.1%)。内75歳以上(後期高齢者)は1,371万人で、総人口に占める割合は10.8%となった。
(2)今後、総人口が減少するなかで、高齢化率はいちだんと上昇…平成21(09)年は、高齢者1人に対して現役世代(15歳〜64歳)は2.8。減少する現役世代が高齢者を支える社会の到来を予測している。
(3)たかが平均寿命、されど気になる、平均寿命は…平成20年(08)年現在、男性79.29年、女性86.05年。将来推計では平成67年(2055)年には女性は90.34歳まで生きる。
(4)年寄りはカネが掛ると言われそう…社会保障給付費は平成19(07)年度で91兆4,305億円と過去最高の水準に。このうち、高齢者関係給付費は、63兆5,654億円(同年度)と、社会保障給付費に占める割合は69.5%と高い。

★“こども人口、29年連続で減少の過去最低…全国の子ども(15歳未満)の数は1690万人で、総人口1億2,739万人に占める子どもの割合も36年連続で下がって過去最低の13.3%となった(総務省5月発表)。前年に比べ約20万減った。子ども人口は97年に65歳以上の割合(23.0%)を下回り、今回の推計では9.7ポイント低くなった。

★W杯サッカー(日本・パラグアイ戦)の視聴率は平均で57.3%…とTBSが過去に放送した番組のなかで最高を記録。「瞬間視聴率」は、午後11時46分の64.9%で、前半のロスタイム中の数字。これほど湧いたのはオリンピックにもなかった。もう1勝でもしていたら、世の中どうなっていたか?瞬間視聴率はピーク時の記録のこと。陛下と皇后さまも「ライブでご覧になった」と後日の記者会見で。

★大相撲中継は老人ホームの夕食タイム!…場所が始まると楽しみにしていた老人施設の大相撲ファンは多い。4時〜6時まで相撲中継を堪能したあとに夕食を楽しむ時間帯だった。ところが今回のダイジェスト版は6時から。多くの老人施設では夕食の時間だ。黒い霧も晴れない。大きいフアンを失ってまだ人気が下がる?

■第20回 文学歴史散歩
 中山道の江戸への入り口「巣鴨、染井」コース

中山道に面したこの地は、古くから植木の産地であった。春の桜見、秋の菊花は庶民の憩いの場であったが、明暦の大火の後には、都心から多くの寺が移動してきて寺町に。現在では「巣鴨とげ抜き地蔵」を訪れるお年寄りの原宿と呼ばれている。今回は、有名人や文士が多数眠る「染井霊園」と近隣の寺社を巡り、文学と歴史に想いを馳せ、江戸の北の玄関口の板橋(近藤勇処刑場)まで歩く。

◆実施日:平成22年9月12日(日)(小雨決行)
◆集合:JR線・都営地下鉄線「巣鴨」駅 正面改札口 10時。案内人:酒井文夫SLA
◆コース:(総計約5km、3時間コース):@真性寺(六地蔵)、A高岩寺(とげぬき地蔵)、B染井霊園(高村光太郎、岡倉天心、二葉亭四迷、水原秋桜子の墓)、C勝林寺(田沼意次の墓)、D慈眼寺(芥川龍之介、谷崎潤一郎墓)、E本妙寺(遠山金四郎、千葉習作、囲碁本因坊家の墓)、F妙行寺(お岩さんの墓)、G近藤勇処刑場・墓所(板橋)。 解散:JR「板橋」駅。
◆参加費:300円◇
◆ 主催=問合せ・申込み先=SLA東京
TEL:03−3547−3507 FAX:03−3771−8278(岡田) MAIL:shinsei-ad@tea.ocn.ne.jp

■第17回「シニア住宅見学会」は、9月26日(日)グッドタイムリビング芝浦(予定)

■シニアウオッチング兼SLA東京総会は10月24日(日)場所は未定 ◇案内人:沢木清美SLA
◆会員消息◆
・「気ままサロン」(佐藤匡男SLA):会報『これから』発刊50号記念特集号を発行☆A4版40ぺージ。悲しみ・辛さを受容れ、明日の生き方を探る・・・悲しみを秘めながらも、夢を持って生きたい!46名の会員が記した心模様エッセー。
・「碑文谷彫」展:(山本尚SLA)6月15日〜20日、目黒区美術館ギャラリーで碑彫誕生55年を記念して作品展を開催した。
・新刊『地域デビュー指南術〜再び輝く団塊シニア』(松本すみ子SLA)刊。東京法令出版、定価1995円。


<気になる言葉>

<ややこし日本語>編
今号は、川柳特集にあわせ時事問題の話をひろってみました。

歴史散歩で訪れたお宮で、「60過ぎれば厄がないのよね。何か張り合いないワ。孫の厄も過ぎたしお賽銭も略させてもらうことにした」(魔除けもあるよ)
W杯サッカーの「サムライ・ニッポン!」。あまりいい言葉じゃないわね。サムライ、ハラキリを連想する。サムライは侍ではない。サムライ達は皆、泣いたでしょ?(侍は泣かない)
サッカーは足で蹴るスポーツとばかり思っていたら、頭で蹴るものなのね。(アタマ使う)
「負けても4年後があるサ」と若者たち。私たちに4年後はすぐではないワ(1460日先)
アパートの部屋から葬儀社の霊柩車が見えるのは不快!と訴えていた男性が敗訴した。そのたび拝めば菩薩になれたのに(罰あたり)
「豊かさとは・・・お金や時間だけではない。自由の拡大…と某大学教授。やりたくないことをやらなくてよい自由、やりたいことをやる自由、いやな奴に合わないで済む自由、言いたいことを言う自由・・・。先生いいことおっしゃる。ぜひ出馬して!(自由党)
毎日、何回となくテレビに出てくるタレントの名前。顔はわかるが名前が覚えられないのよねー。タレントが多いからか?歳のせいか?(タレントが多いせい!)
ひとつの番組に、何であんなに大勢のタレントが出なきゃいけないの?本業がヒマだから?アルバイト?目立ちたがり屋だから? (それ本業だから)
「永代供養」とは、子どもたちに代わって前納することなのよね。「もうお前たちに面倒掛けない!お参りも来なくていいよ!」というわけ?(一代供養)
片手でポツポツ打つ携帯は旧式、指でさするのが新型。本を読むときは、本物のページを繰るように指で画面をさする。指をなめないでも簡単にめくれるのが最新型(らくらく)
野球とばくで大相撲夏場所は、「土」がついたどころじゃないね。これはもう「泥まみれだね」、と相撲フアンが嘆きます(カネまみれ)
暴力団関係者」ってよく言うでしょ?どういう関係の人のこと?暴力団を取り締まっている検察の人達だって関係者ではないですか?(深い関係者)
のど飴の袋がうまく開かない。やっと開けたと思ったら落としてしまった!最近、指先がとても鈍くなっって困るの(口を使え)
ちょっと違和感があるけど、病院では「患者様」、高齢者施設では「ご利用者様」と言うわね。
大金を払ってくれる大事なお客様だからかしらネ。お医者様ともいう。健康第一だからね(お蔭様)

◆店頭や市で主役を演じた朝顔、ほうずきが、いま、軒先で咲き誇っている。文月も半ば。梅雨明け宣言も今日、明日の予感◆葉月の8月。暦の上では早くも7日が立秋。何となく旧暦のほうが実感に近いと思うのは幼い頃に体験した風景に近いからか。「ねぶた」も、「ねぷた」もそうだし、阿波おどり、よさこい、仙台七夕、秋田の竿灯に、はたまた球児の甲子園。季語の「帰省」の月◆広島平和記念日、長崎平和の日も、終戦の日とともに忘れまい。65年目の記念日(岡)

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