この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。

No.50/2010.10.20(水)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出の ちから」

今号は その22 <昭和56年>1982年のできごとロジー

●<話題・世相>日航機羽田沖墜落死者24名
●ホテルニュージャパン火災死者32名
●東北・上越新幹線開通(大宮始発)
●<流行語>・逆噴射・心身症・ネクラ・ルンルン・森林浴・なぜだ(三越)
●<ヒット商品>世界初CD、CDプレイヤー・無印良品
●<ベストセラー>積み木くずし・窓際のトットちゃん
●<物価>国鉄初乗り120円・ビール265円・大卒初任給13万2千円
●<流行歌・映画>赤いスイトピー・北酒場・さざんかの宿・蒲田行進曲
●<その他>500円硬貨発行・フォークランド紛争・戸塚ヨットスクール事件
 ★出典=ザ・20世紀より

*エリザベス女王の寝室に男が侵入。逮捕されるまで10分間女王と話をしていたとか・・これもこの年。

<小さな特集> 無縁社会3
見守り の ちから


藤木亘「小さな画室」より。渋谷「ハチ公前」交差点
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/

★「敬老の日の行事に変化〜安否の確認の動き〜」・・・は、敬老の日のテレビのニュースト・ピックスのタイトルだ。長寿者の家へお祝いに出かける自治体の映像に加え、今年は、自治体や民間ボランティアによる安否確認のケースの紹介が続いた。

★マスコミ各社も、「所在不明」問題をきっかけに、高齢者の「孤立・孤独化」をテーマにした特集が目立つ。そこでは、行政や民生委員にまかせるだけでなく、市民ボランティアが支えあう「見守り」が多様なかたちで始まっていることを伝えている。

★さまざまな取り組みの中で、「同居家族のなかでの孤立」は、把握がむずかしい。「個人情報のカベ」が、見守りネットが伸び悩む原因になっている・・・といった具体的な問題もうかびあがった。中野区では「地域支えあいネットワーク推進条例」で、70歳以上の単身世帯と75歳以上の高齢世帯については名・住・齢・性の基礎情報を自治会に届ける試みもはじまった。
地縁、血縁関係が希薄になっているいま、誰が見守るのか?答えは、まだ出ていない。

 

誰が見守る? 家族か 役所か、ご近所か

新聞販売店や郵便局など、地域を巡回する民間企業と自治体が協力してお年寄りを見守るネットワークも広がっている。

★朝日新聞の販売店の安否確認サービス「シルバーみまもり隊」が、大田・品川区など城南地区のASA配達エリアで11月1日からスタートする。異常がないか気を配り、新聞が残っていたりすると声をかけ、登録カードに書かれた先に緊急連絡するサービス。
24時間対応の「電話健康相談」も開始する。病気の悩み、生活習慣の改善、心の相談などをオペレーターを通じ、約300人の専門医に、年中無休でつなげる。資格は購読者で、高齢者2人世帯か、身体の不自由な方。同様の「見守りサービス」は読売新聞もはじめる。

★「たすけあいネットワーク」(杉並)は、ボランティアの「あんしん協力員」による巡回訪問型の見守り。徘徊や外で倒れたときなど、緊急連絡のとれる「見守りキー・ホルダー」を配布しているのは大田区だ。江東区の都営住宅では、誰と誰が親しいのか人間関係を記した「支え合いマップ」が役立っているという。

★機器を活用した見守りの取り組みが進んでいる。携帯電話を使って安否確認する見守りサービスを始めた新宿・戸山団地のNPO「人と人をつなぐ会」や、都市再生機構(UR)は、横浜の公田町団地でセンサーを使った実験を始めた。先ごろビッグサイトで開かれた「国際福祉機器展」=下の写真=でも通信機器を駆使した監視・見守りシステムの展示コーナーに人だかりがあった。

★生活苦、情報難民、家族関係の悪化・・・「シニアの悩み110番」・・・ 去る9月25・26両日、全国SLA協会が一斉に行った「シニアの悩み110番」の結果がこのほどまとまった。
相談件数269件の内、多かった内容は「家族・親族」をトップに、2位は「経済」。子からの仕送りが途絶えた人がいる一方で、仕事が見つからない子へ年金から親が援助するなど、不況と生活苦が、家族関係を悪化させている姿が浮かびあがった(男性の1位は「健康・医療」)。3位の「健康・医療」では各年齢層で「健康不安」が見られ、「認知症関連」が前回より増えた。
また「生き方」や「相続・遺産」の関連では、終末期や死後の後始末に関する相談が多く、家族の関係がますます希薄になる傾向のなかで、自分の葬式やお墓まで限りなく不安材料になっている傾向が見えた。「暮らしの形態別」は、「一人世帯」45%、「夫婦世帯」29%、「家族世帯」26%。中でも、「一人世帯」の悩みは多岐にわたり、行政の制度についての知識や相談先もわからないなど「情報難民」の現状が分かった。

★生活保護190万人、この1年で20万人増・・・今年6月時点の全国の生活保護者は190万7176人で、前年同月費20万8307人増加したことが厚労省のまとめでわかった。190万人を超えたのは1950年にあった(昭和25年)以来。受給世帯数も137万7930世帯で、こちらも同年同月比で約15万世帯が増加、26ヶ月連続で過去最多を更新つづけている。
「最小不幸社会」? ニッポンは政治家が思っているより貧しい!

★高齢者の家計は月4万以上の大赤字?・・・・・高齢者の家計調査(総務省・09年調査)によると、世帯主が高齢者で無職の2人以上の世帯の1ヶ月の平均支出は27万1千円。一方、収入は22万7千円で、4万4千円不足している。高齢者の家計は年々厳しくなっている。10年前の不足額は1.7万円だった。 

★“時間預託”のボランティア「ポイントカード」は・・・1時間、介護者の話し相手をすると1ポイント=100円に換算される制度が富士吉田市ではじまった。年間500ポイントが限度。元気なうちにボランティア活動した時間を積み立ておき、自分が必要になったとき引き出して使う「時間通貨預託」や地域通貨の介護ボランティア版の試み。

★シルバー世代で体力アップ、「運動する」高齢者が増加・・・・65歳以上の高齢者の多くが、握力や脚力、腹筋などほとんどの項目で上がった。6分間の歩行距離でみると、65歳〜69歳男性が588b→612b(女性548b→572b)に、70歳〜74歳567b→581b(女性519b→539b)に伸びた。(文科省、98年度と2009年比較)。また週に1回以上何らかの運動をする人の割合が50%を超え、20歳〜64歳の全体平均より上回った。

★特養の「全室個室」をまもるか、新型「一部相部屋」か?・・・・特養の居室タイプで、厚労省もブレている。42万人を超える待機者を考えれば「4人相部屋」などへの方針転換も仕方ない? 収容枠はふえるが一方でプライバシーは守れない。ケアつき高齢者住宅の普及など「特養」にこだわらない政策が待たれる。

★インフルエンザ・ワクチン接種、進まず、医師会も拍子ぬけ?・・・10月1日から接種が始まったが、医師会も拍子ぬけ?するほどという。昨年は新型の流行予想とワクチン不足の情報で大騒ぎした反動? 効果が出るまで2週間程度が必要で、効果は、5カ月持続するので、「流行前の早めの接種が望ましい」と厚労省はアドバイスしている。


▲こんな人形展示コーナーも「国際福祉機器展」

★キツイ、仕事なのに安い福祉系職員の給与・・・介護職員の給与は月額21万円、ホームヘルパー20万円で、全産業平均より10万円安い。また1年以内に辞めた人の離職率は17%、多くは3年未満が占める。250万人の介護職員が必要といわれるなかで人材確保と定着が急務とされるなか施策が遅れている。

★100歳以上の人口は290倍・・・統計をとり始めた1963(昭和38)年の153人から、今年は290倍の4万4449人。認知症の高齢者は現在の推定の208万人が、30年には353万人に増え、65歳以上の10人に1人が認知症という時代になる。

★日本の農業人口が急減、20年間で半減・・・農業を本業とする人は05年の前回調査から75万人減って260万人に。減少率22.4%は過去最大。一方で、耕作放棄農地は初めて40万ヘクタールに達し農地全体の10%に当たる。また日本の食料自給率は40%に低下した。欧米と比べてもひどい。(農水省、5年に1度実施の「農林業センサス」)。

★1日に、1時間未満しか歩かないと短命?・・・高血圧の40歳男性は正常値の人よりも平均余命は1.7年短く、生涯医療費は約376万円多くかかる。同じく、1日に1時間未満の人は1時間以上歩く人に比べて余命は1.5年短く、医療費も約75万円多かった。厚労省研究班が、男女約5万2千人(40歳〜79歳)を対象に調べた結果)。

★高い65歳〜69歳代のネット利用率58%・・・65歳以上の高齢者のネット利用率は36.9%で(09年末)で、前年に比べ8.8ポイントの上昇。特に65歳〜69歳では20.4ポイントも高まった(総務省の「通信利用動向調査」)。iPadなど、操作しやすいタッチパネル型の端末が普及したことによるもので、高齢者のITによる「孤立防止」や「見守りサポート」の開発のテンポも早まると期待される。


▲写真は今年の「国際福祉機器展」で

■秋を迎えに 北総台地の美術館へ。 
シニアウォチング&SLA東京総会

敷地内の9万坪の自然散策路を歩きます。館内のレストランで昼食会を兼ねSLA東京の22年度の総会を開きます。奮ってご参加ください。
◆期日:平成22年10月24日(日)
◆場所:川村記念美術館 (千葉県佐倉市坂戸631 TEL 043−498−2131)
◆集合:午前11時   川村記念美術館 入口 
(交通案内=京成成田線、「京成佐倉駅」より、10:20分・30分発送迎バスあり)。
◆参加費:入館料1500円(SLA東京負担)
◆昼 食:ベルウェデーレ(イタリアンレストラン)各自負担
◆必携品:身分証明書 ▲案内人:沢木清美SLA ▲問合わせ h-okada@blue.ocn.ne.jp

■第21回 文学歴史散歩
徳川幕府お膝元の町人の街 「日本橋・人形町」 コース
日本橋界隈は、江戸時代の幕府のお膝元、町人の街として栄えました。金貨・銀貨の鋳造、米、魚市場、衣料品、酒、雑貨など日用品の流通拠点でした。他方、日本橋の裏側にあたる人形町界隈は、旧吉原のあった場所故か歓楽街として発展したもの。
現在では、オフィス街、老舗の並ぶ買い物、グルメなど色々の顔を持つ代表的な下町です。何気なく通り過ぎる街、日本橋・人形町界隈を巡ります。
◆実施日:平成22年11月28日(日)(小雨決行)
◆集合:地下鉄線「三越前」駅 B6出口 10時
◆コース:(総計約4km、3時間コース):@日本橋(魚市場跡、高札場跡、晒し場跡、五街道の起点)、A三浦安針旧居跡、B伝馬町牢屋敷跡、C石町時の鐘、D大安楽寺(旧処刑場)、E椙森神社(藤原秀郷建造)、F玄冶店跡、Gジュサブロウ館(人形館)*入館せず、H牡蠣銀座跡、I谷崎潤一郎生誕地、J水天宮。解散:水天宮駅付近。
◆昼食:「玉ひで」は休みですが、他の親子丼店は如何。◆案内人:酒井文夫SLA
◆参加費:300円 ◆問合わせ先・申込み先/SLA東京 090―3041−6748(岡田)


<気になる言葉>

遠くの親戚より近くの他人・・・地域共同体の良さ、助け合いを言ったことわざ。最近は、近くの親戚も、家族も頼りない(頼るな)
携帯は鳴らせば在り処がわかるから便利だわヨねー。それそれ。「探し物探知機」っていうのがあるといい。でも探知機を失くしたらおしまいね。2台、買っておけばいい(3台目も)
探し物をしていたら、一週間前に一日中探していたものが、とっても簡単なところから出てきた。悔し〜い! きょうも一日中、探したけれど見つからない!(来週、出てくる)
カタカナ外来語には「お」はつけない。そういえば「お米」と言っても「おライス」とは言わないね。でも「おコーヒー」「おビール」という人はいるわ。(お上品)
外来語や新語の方がわかり易い場合があるわネ。「菜食主義者」より「ベジタリアン」。「美男子」より「イケメン」、「就職活動」より「就活」。「粋活」は粋な中央区の観光キャッチコピー(粋)
「一字違いの「イクメン」は、育児に熱心なパパ。流行らしい。「弧育」は育児に不安の若い母親たち。
同期会で飲んで帰った。ブレーザーが違うのに家に帰ってから気がついた。Y君のネームがあるので電話したら、彼も今、気がつたところだという。(同期)
10年ぶりの同窓会。「縦横無尽にシワだらけ」と、開き直って返信に書いた。出てみたら、お友達もみな「縦横無尽」で安心したワ(同い歳)
「リニア中央新幹線」の東京=名古屋間40分! 17年後ねー。関係なさそう。さらに「大阪」までは、25年後。百まで生きていれば乗れる勘定!(乗れる)
噛み付きサルや、熊があちこちで出没する。本当に山に食べるものが不足しているのかしら? 徘徊クマかも知れない?(そうかも)
ウォーキングの効用を説く人、曰く・・・「私ね、死んだら墓場まで、歩いて行くの!」(拍手・合掌)
お医者さんの「ご高齢ですから・・・」は、失礼ヨネ。こんど、「先生、私、そんな歳じゃありませんって言ってやろうかしら。カルテに齢バレテいるけどサ・・・(言ってやれ)
食後、すぐDSで遊ぶ孫に、「親が死んでも食休み」と言ったら、孫も、パパにも、ママにもきょとん。「親が死んだら忌引き休み」じゃないの?とママ。
「優柔不断」は、あいまいで、はきはきしないグズの意。赤瀬川源平さによれば、「決め付けない、日本語独特の奥の深いことば」になる。「優柔不断」に、「術」がつくと(それは優れた「老人力」)。

「秋の七草」の覚え方、続編です。「お・す・き・な・ふ・く・は?」。当てはめてみてください。
「オミナエシ・ススキ・キキョウ・ナデシコ・フジバカマ・クズ・ハギ」。


◆「この秋、全国のあちこちでクマが出没している。森に木の実が少ないためと専門家。クマは人間よりかけっこが早い。泳げる、木登りも上手だというから「逃げるが勝ち」ともいかないらしい。クマ警戒警報を出す町もでた◆その里では野菜類の育ちが悪く、お米の品質も例年より劣るという。長く続いたこの夏の「真夏日」のせいだけだろうか。昔のような水争いこそなかったが、田んぼの水がお湯のようだったと米農家の古老。宮澤賢治「ヒデリノトキハナミダオナガシ・・・」と同じ。手の打ちようがなかった◆日光の初氷が27日も遅かったなど「異常気象」の観測がつづく。「菊うらら」の日和がつづいて欲しい(岡)

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