この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。

No.54/2011.9.1(木)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出の ちから」

今号は その23 <昭和59年>1984年のできごとロジー

●<話題・世相>グリコ・森永事件
●ロスアンジェルス・サラエボ(冬季)オリンピック
●健康保険被保険者1割負担
●中曽根首相靖国参拝・戦後初
●植村直己マッキンレー単独初登頂後消息不明
●<流行語>・パフォーマンス・普通のおばさん(都はるみ引退)・私はこれで会社を辞めました
●<ヒット商品>禁煙パイポ・システム手帳・コアラのマーチ
●<はやり歌>俺さ東京へ行くだ・いっそセレナーデ・涙のリクエスト
●<その他>・有楽町マリオンがオープン(日劇がなくなる)・ロス疑惑・新札発券1万円、5千円、千円・第二電電、日本高速通信、通信インフラの夜明け。  
★出典=ザ・20世紀より   

*この年以降、オリンピックは夏季と冬季に別年で開催に・・・オリンピックの商業化。有楽町マリオンは今年閉店。

<小さな特集> 「高齢白書」の数字から
「孤族」を救う ちから


※水彩画は:港区麻布の「暗闇坂」。 藤木亘「小さな画室」より。
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/ 

安心して暮らせる安全な社会を誰もが求めている。それを裏切るような社会現象が目立つこの頃である。
大震災のあと、次つぎに起こる風評被害や不安材料を上積みするばかりで、半年を経とうとしている今も、復興の確かな道筋が見えていない。
集中豪雨による河川の決壊などは、昔の出来事のように忘れかけていたら現実となった。わが国の治山治水のレベルはこの程度なのか?と思い知らされる。
一方で、高齢者の「孤族」、「孤独死」など、いわゆる社会的リスクが一層深刻な様相を呈し、最新の「高齢白書」でも、「一人暮らし高齢者」の問題など社会的孤立の実態が浮かびあがっている。政治の世界をふくめ日本は、あちこちで「病んでいる」としか言えない。
わが国を中心に人間関係を構築してきた。だが、その家族の関係すら絆にはなっていないのが現代社会。「孤族」の高齢者を救う手立てはあるのだろうか?「高齢化、過疎化が進んだ復興の町づくりは、日本の20年後、30年後のモデルになる。」と訴えているのは村井嘉浩・宮城県知知事。被災地の復興のまちづくりに限らず、ニッポン国全体の再生モデルにもなる。
誰が首相がなっても原発対策と被災地復興を急いで欲しい。

今号は去る7月17日に開かれた内閣府と高齢社会NGO連携協議会主催の「高齢社会フォーラム・イン東京」における小林洋子(内閣府高齢対策担当参事官)の講演資料から、「社会的孤立の実態」の数字をひろって見ました。(平成23年版「高齢白書」より)

不安がいっぱい 安心をください!
4人に1人が75歳以上という社会。高齢者のいる世帯は全体の4割。
そのうち「単独世帯」・「夫婦のみの世帯」が過半数!
  一人暮らし高齢者は男女ともに増加。
特に男性の一人暮らし比率の増加が顕著で今後も上昇。

人生90年時代の到来
★平成22年(2010)年10月1日現在のわが国の総人口は1億2,806万人。65歳以上の高齢者人口は過去最高の2,958万人で、総人口に占める65歳以上の割合(いわゆる高齢化率は、23.1%となった。このうち「65歳〜74歳」(前期高齢者)は1,528万人(11.9%)、「75歳以上」(後期高齢者)は1,430万人(11.2%)である。
★高齢化の将来推計によると、 2055年には2.5人に1人が、65歳以上に、4人に1人が75歳以上となる社会が到来する(はるか40年先のこと、と言うなかれ)
★生産年齢人口(15歳〜64歳)1.3人で高齢者1人を支えることとなる。(「支える」、「支えられる」、という表現に、世代間でいささか誤解も)
★平均寿命(2009年)男性79.59年、女性86.44年・・・2055年には、女性の平均寿命は90年(歳)を超える見通し。 わが国は世界のどこの国も経験したことのない高齢社会を迎えている。(世界のモデルにならなければいけない。原発処理も同じ。)

萬鉄五郎美術館(岩手県)で開かれている
宮城美術館所蔵の原画展ポスターより。

単独世帯、夫婦のみ世帯が過半数
★高齢者のいる世帯は全体の4割。そのうち「単独世帯」・「夫婦のみの世帯」が過半数を占める。65歳以上の高齢者のいる世帯は増え続けており、平成21年(2009)年現在、世帯数は2,013万世帯で、全世帯の41,9%を占める。
★三世代世帯は減少傾向にある一方、単独世帯、親と未婚の子のみの世帯は増加の傾向で、単独世帯、夫婦のみ世帯を合わせると半数を超える。(これまでの「核家族化」という表現では対策が建て難くなった?いまは使われていない。)
★高齢者の一人当たり年間所得は192.9万円で、全世帯平均208.4万円と大差はない。

一人暮らし高齢者、男女ともに増加
特に男性の一人暮らし比率の増加が顕著。一人暮らし高齢者人口に占める割合は昭和55(1980)年には4.3%、女性11.2%であったが、平成17(2005)年には男性9.7%、女性19.0%に上昇、今後は特に男性の一人暮らし高齢者の比率が上昇することが予想される。(男性のおひとり様が増え、ますます厄介な問題が想定される?)

家庭介護の担い手は誰?
高齢者の要介護者数は、平成13年度の287.7万人→平成20年度では452.4万人と急増している。これを介護する人との続柄で見ると、6割が同居している人であり、その内訳は配偶者が25.0%、子が17.9%、子の配偶者が14.3%、事業者12.0%、別居の家族10.7%の順(不詳16.8%)。性別では男性28.1%なのに対し女性が71%と多い。
多くは60歳以上であり、いわゆる老老介護のケースも相当数にのぼる。「周囲に迷惑をかけず、死ぬまで元気でポックリ…」は、多くの高齢者の願いなのだが…。

介護の現場では職員が不足 
介護現場の人手不足感が再び強まっている。「職員が不足している」と答えた事業所は対象となった全国の7,300千事業のうち50.3%と過半数に上り、離職率も17.8%で3年ぶりに悪化した(介護労働安定センター調べ)。最も人手不足感が強いのは訪問介護の事業所で65.9%、施設介護の事業所は40.4%だった。職員の賃金は、月額21万6、494円と前年度より4、602円増えたものの、離職率は3年ぶりに悪化している(8/24朝日)

元気な高齢サポーターに期待
人手不足に悩む介護の現場で、元気な高齢者を「サポーター」として活用する動きは始まっている。ヘルパー資格をとる新人もあれば、補助的サービスを行える研修も厚労省を中心に始まった。高齢サポーターは家事の経験が豊富で、対話能力の高い人が多い。体力の制約は若いヘルパーと役割分担すればよい。こんご高齢就業の面からも期待できそう。

「買い物弱者」へ支援ビジネス
高齢者を中心に、日常の買い物に不便を感じている人が増えている。その数は600万人いる(通産省の試算)という。こうした支援には、行政にたよらず民間でと、見守りや安否確認につながる御用聞ビジネスへの参入が始まっている。商品や弁当を届けるだけでなく、カギの交換、水漏れなど日常の困りごとの相談に乗り、出張サービスを請け負う。情報端末を使ったホームセキュリテイーサービスはすでに始まっているが、むしろ買い物弱者への身近なコンビニ等での支援サービスの広がりに期待したい。(朝日8/2、日経8/21より)

さびしい老後、社会的孤立の実態
★「同居の家族以外で困ったときに頼れる人」として「友人」、「近所の人」を挙げる割合は韓国やアメリカ、ドイツ、スェーデンと比べて日本は最も低い。
★一人暮らし世帯では、男性の41.9%、女性の27.8%は「会話の頻度」が2〜3日に1回以下で、特に男性に日頃の会話が少ない人が多いことがわかった。社会的孤立の実態を、会話の頻度(電話やメールも含む)で聞いてみた結果だ。近所づきあいのほとんどない人の18.1%、親しい友人を持たない人も、同様に2〜3日に1回以下と会話機会が少ない。
「困ったときに頼れる人」がいない割合でも、一人暮らしの人に多い。
★「地域とのつながりが必要」と思っている人は99%を越えるが、実際の居住地域で「地域とつながりを感じる」人は77.0%に留まり、都会ほどとギャップが大きいという。

生きがい喪失から犯罪へ
★社会から孤立した状況が続くと、生きがいを喪失し、生活に不安を感じることにもつながる…頼れる人がいない人の半数以上が、「生きがいを感じていない」と回答している。
★オレオレ詐欺など高齢者の消費者被害にも、孤独化と関係している可能性もあり、相談できる場や、人間関係をつくることが重要とされる。
★スーパーなどで万引きなどの犯罪を繰る返す高齢者のケースも社会的孤立が生み出す問題点とみられる。さらに深刻なのは、孤立化による孤独死が増加していると考えられることだ。

都営交通はことし100年を迎える

★東京23区で一人暮らしの65歳以上のひとの孤独死は平成21年(2009)年まで3年続けて2,000人超。また(独)都市再生機構の賃貸住宅内での孤立死(孤独死)は、21(2009)年度に665件、65歳以上に限ると472件、12(2000)年度にくらべ全体で約3倍、65歳以上で約4倍に増加している。
★「見守り」や「居場所づくり」の取組み
フォーラムでは、地域のなかで孤立した人を結びつけるには、多様な受け皿を広く用意することが重要と、「地域における高齢者の出番と活躍」〜「孤立」から「つながり」、そして「支え合い」〜など今後の取り組みの方向性や実施事例をあげ、更にそのあと開かれた各分科会で論議された。(高齢対策の取り組みは次号)

■第24回 文学歴史散歩

芝・烏森コース
芝地区は、徳川将軍家の菩提寺「増上寺」と江戸子の神社「芝大神宮」の町として発展した。北の「寛永寺」や「神田明神」と共に栄えていたが、明治維新以後、徳川幕府が消滅すると、急速に衰退し、現在の寺域にはホテル、ゴルフ練習場、東京タワーが立ち寺に替わって新しい顔を形成している。今回は、その「増上寺」に主眼を置き、近くの「芝大神宮」や愛宕神社、更に最近復元された明治初年の「新橋駅」の駅舎を訪ねます。

昭和40年頃の銀座を走る都電

◆実施日:平成23年10月16日(日)(小雨決行)
◆集合:都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅 B1出口10時。
◆コース:(総計約3km、3時間コース) :@芝大神宮、A尾崎紅葉生誕の地、B増上寺(三解脱門、大殿、霊廟(秀忠、お江、和宮等))、C青松寺、D愛宕神社(NHK博物館)、E浅野匠頭終焉の地、F烏森神社、G新橋駅旧駅舎。解散:JR線・メトロ線「新橋」駅。◆案内人:酒井文夫SLA◆問合わせ先・申込み先/SLA東京 090―3041−6748(岡田)

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■第19回 シニア住宅見学会

介護付き老人施設「サンテーヌ土浦」見学と城下町散策
平成6年に県住宅供給公社が開設した地上12階、総戸数103戸の介護付き高齢者住宅です。当時は豪華な施設が話題となったが22年、社会福祉法人に引き継がれ介護に特化した40床の専門棟を増設して今春オープンした。当日は昼食の試食を予定。また見学後は、城下町土浦を散策、亀城公園、土浦市博物館などを見学します。
◆実施日:平成23年10月30日(日)
◆見学先:サンテーヌ土浦(土浦市文京8−3) (電)029−826−6333
◆集合:JR上野駅10時(9番線ホーム10号車、乗車口、10時10分発=特別快速)
  帰りは土浦発16時1分発、上野駅17時4分の予定。
◆案内人:大賀勝SLA 、沢木清美SLA◆参加費300円 (昼食試食は別途)
◆問合わせ先・申込み先/SLA東京 090―3041−6748(岡田)

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■シニアウォチング兼SLA東京の年次総会
11月中旬、横浜エリアで開催予定です。

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◆佐藤匡男・石井須美子編著<「これから」一人でも独りでもなく> 
全国の書店で絶賛発売中(朝日出版社刊、1000円+税)


「祖父母近居で孫育て」・・・とは、同居はしないが子育ては手伝って貰う。孫にはどちらも目がないからね。昔は「スープの冷めない距離」って言ったわネ(近い)
孫「夏休みが終わった!おばあちゃんはいいナ、宿題もないしサ・・・」、祖母(悩みある)
ス−ポーツジムで自転車踏みながら・・・これで自家発電できるといいのに!(一足二鳥)
年間115万人の死者を焼くのに使った化石燃料から排出される二酸化酸素を吸収するためには、東京23区の2倍の森林面積が要る。で、どうすればいいの?(土葬)
スェーデンには「冷凍葬」というのもあるそうよ。液体窒素に浸しマイナス196℃で粉末にして土中に埋める。化石燃料は使わないで済む(冷めた〜い!)
3日に1回しか人と会話する機会がない一人暮らし高齢者が多いという。「うるさい!と言った時代がなつかしい?」(グチも)
「オレオレ詐欺は、留守電には伝言しない」と警視庁。掛ってきたら、「いま録音するから、ちょっと待ってネ」というのは、どうかしら?(その余裕)
熱中症って「日射病」のこと? 昔は「夏負け」とか「夏風邪」とか、風情のある言い方があったわね(「鬼の撹乱」も)
鍵をかけるのを忘れた?と戻ると、大抵はオーケーだったという場合が多い。反射的に、ちゃんとやってるのよネ(油断するな)

◆ニィニィ、油蝉、ミンミン、カナカナ・・・夏の音楽師たち。しんがりを務めるツクツク法師が鳴くと、そろそろ柿が色づきはじめる。専門的なことはさておき、筆者の幼児体験◆どの蝉も、このひと夏を精一杯生きる。なかでもツクツクホウシは夏を惜しむより、残された日を数えるようで忙しなく、感傷を誘う◆カナカナは深い森で日暮れや明け方に鳴くが、法師蝉とおなじ秋の季語の仲間◆そろそろ新米のシーズン。みちのくの米どころも黄金の波がうねる季節だが、今年の出来はどうだったのだろうか(岡)

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