この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。

No.55/2011.11.1(火)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出の ちから」

今号は その24 <昭和60年>1985年のできごとロジー

●<話題・世相>日航機、御巣鷹山墜落事故
●豊田商事事件(シニア詐欺事件)
●NTT,JTの民営化
●国鉄同時多発テロ(民営化反対)
●阪神21年ぶり優勝、バース3冠王
●<流行語>・ダッチロール・うざったい・金妻・新人類
●<ヒット商品>ソニー・ハンディーカム・東芝ルポ・一太郎・ファミコン・チームデミ・ミノルタα7000
●<物価>大卒初任給14万5千円・ビール310円
●<その他>・上越新幹線上野始発になる・おニャン子クラブ(モーニング娘→AKB48へ)
●<物故>、夏目雅子、笠置シズ子、源氏鶏太  
★出典=ザ・20世紀より   

*民営化、産業、テクノロジー、文化が飛躍的に発展・変革し、それを象徴するような事件も起きた年。

<小さな特集> 「高齢弱者」
「地域包括ケア」のちから


※水彩画は:新宿区の「蜀江坂」。 藤木亘「小さな画室」より。
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/ 

「東京の住宅街が被曝!」のニュースが世界へ流れた。世田谷の住宅地でとつぜん放射能数値が高まり、大騒ぎになった。こ騒ぎの顛末をみながら、多くの人々は「日本の核を扱うスキルは、この程度のレベルなのか?」と思いつつ原発への不安を一層つのらせた。ピンポイントとやらの解明も、どうしたことかテンポが遅く、こちらも不安な日々がつづいている。除染した土の仮の置き場の白い袋の山を見ると、まるでSF映画でも見ているような錯覚におそわれる。
被災地では、とりわけ高齢弱者が、さまざまな場面で困窮していると聞く。実際に、身元が確認された死者1万4553人のうち、65歳以上の高齢者が55.7%を占めている。
                                *
東日本大震災を境に、「震災前」と「震災後」(ビフォー・オア・アフター)の論議が盛んだ。
最近の生活意識調査によれば、「世の中に気がかりなこと、不安なことが多い」と思うひとがグンと増え、「事故など起っても知らされないことが多いから、自分でしらべ、自分で判断する」といった生活意識の人が増えているという。
一方、「社会全体のために不便なこともガマンできる」、「自分なりに社会のために役立つことをしたい」と思う人びとが、震災後に急増している(博報堂生活総研、生活定点調査、「Life After 3.11」の結果から)。
人びとは不服を言わず、今の現状を、たくましく受け入れ、また自分の基準・判断・責任で自分を守り、自分の役割を創ろうとしている意識がつよい。3.11以降の生活者がめざす生き方を、「オペレーションじぶん」<自分で自分を運営する>と総括している。
★政府や行政の震災対応を良としているのではない。むしろ、「国や行政が、あてにできないから、自分がしっかりしなければ」との思いに・・・と見るのは読み過ぎか?

最後まで、自宅で、自分らしく暮らしたい・・・
「地域包括ケア」の街づくり

「震災以前の宿題を解決すべきだ」という意見にも耳を傾けたい。わが国は、「3.11」以前から、社会全体が閉塞感に包まれ、とりわけ高齢社会問題に根の深い課題を抱えていることは、前号の小特集でもレポートしました。
課題は依然として山積みだが、来春スタートする“地域包括ケア”の街づくりに期待したい。これを、「被災地復興の青写真に」の声もあがっている。「日常の生活圏で、30分で駆けつけられる・・・」を合言葉に、医療・介護・予防・見守り・買い物・住まいまで、高齢福祉を地域ぐるみで解決しようというものだ。
「最後まで自宅で自分らしく暮らしたい」という望みに応えるケアの仕組みで、うまく機能すれば安心社会が一歩前進する。何よりも厚労省と、国交省が手を携えるのが目新しい。
例えば、「住まいの整備」では、厚労省との連携による「高齢者住まい法改正」(国土交通省)は、これまで複数のタイプの賃貸住宅が混じって複雑だった高齢者専用住宅(高専賃)などを「サービス付き高齢者向け住宅」の名のもとに一本化し、医師やヘルパーの常駐を条件とする高齢者住まい法に位置付ける。
高齢化率の高い大型団地に、診療所や訪問看護ステーションなど高齢者医療の拠点を作る試みはすでに始まっている。都市再生機構(UR)は、建て替えの余剰地に医療機関を誘致するなどして、地域にも役立つ医療・福祉の拠点にする考え。
また、「見守り・配食・買い物などの支援」では、一人暮らし、認知症の増加に対応し、財産管理などの権利擁護サービスを推し進める。(厚生労働省「地域包括ケアシステム」他より)

今年の国際福祉機器展で @(介助ロボットのデモ)

「温ったか商戦」も「節電」ムード?
ホームセンターなどで早くも冬の商戦が始まった。石油ストーブが一番人気。湯たんぽ。カイロ、羽毛布団などがこれに続く。ストーブの9月の売上げは前年同月比の16倍で、例年のピークに当たる12月の水準。コタツはなんと95%増。衣料品はヒートテックや軽量ダウンなどが人気。この夏の扇風機不足が影響し前倒し商戦となったようだ。またぞろ灯油値上げなどにならないかしら?
「おひとり様おせち」で個食に対応
そごう・西武はこの年末、伝統的な和食の「1人前おせち」を売り出す。セブンイレブンは1食ずつ小分けしたお歳暮ギフト券、ローソンはクリスマス向け小人数寿司オードブルを販売している。東急デパートは「小人数おせち」の商品数を昨年により増やす(日経新聞10.18より)
単身世帯が1588万世帯と全体の3割を超えた。なかでも65歳以上の一人暮らしの割合が増え「個食」の機会の多い事情に対応している。
女性の飲酒率、男性を逆転・・・
女性の飲酒率は40年前の4倍で、20代〜24歳代では、男性の85.5%に対し、女性90.4%と上回った。ちなみに1週間に3日以上、清酒に換算して1日に1合(純アルコール換算20グラム)以上を飲酒するものを「飲酒習慣者」と呼び、1日平均3合(60グラム)以上の飲酒者を多量飲酒習慣と定義される。(女性の飲酒、結構ですが、体質的にアルコール依存症になりやすいと言われるからご注意)。
リハビリの先生やーい!
高齢者や、脳卒中などのリハビリを専門とする医師の養成が進まず、施設での医師不足が救急医や産科医より深刻だという。リハビリ医不足は全国的な傾向で、現在の必要医師数は、救急医1.28倍、産科医1.24倍に対し、リハビリ医1.29倍。地域格差も広がっている。
回復期リハビリの重要性から施設でも常駐が義務づけられたことも背景にある。しかし集中的に機能回復訓練が受けられる回復期リハビリテーション病棟は、10月現在で全国に1115病院、6万1586床にすぎない。
駅のバリアフリー化は、本当に進んでいるの?
9割の駅で段差解消・・・と国交省。ただし、1日平均5千人以上が利用する全国2813駅の実績のこと。昨年末までに2603駅(93%)でエレベーターやエスカレーターの整備が進み車いすや、高齢者の段差が解消した。20年度末には3千人以上の駅を目標にする。駅のバリアフリー対策は国交省なの?ご存知でしたか?
50の手習い「料理する男性」が増えている
自宅で調理する頻度は、女性では90%が「毎日する」と答えているが、男性では「全くしない」が36.9%と最も多く、「毎日する」16.8%、「週に1回〜3回」が20.8%だった。(日本冷凍食品協会の「シニアの食生活アンケート」)。料理をする男性の半数のひとは、50代以降に料理の手習いをはじめたこともわかった。「全くしない」派は、これからも全くしない?

不安がいっぱい 安心をください!

年を追うごとに孤独、孤立感を抱く人が増加・・・・電話相談「シニアの悩み110番」
「一人暮らし男性を引きこもらせない対策」を 提言

シルバーウエークの9月24日・25日の両日、東京はじめ全国7か所のシニアライフアドバイザー(協会)によって行われた全国一斉・特設電話相談の集計結果がまとまった。
相談件数は、2日間に481人(男性131人、女性350人)で、年々、男性の相談者が増えている傾向にあるが今回は、7都市で3割を超え、福山では4割を超えた。
年齢別では、70歳〜75歳が最も多かったが、80歳以上の相談者が全体の49人(約10%)に達したのが注目される。
相談内容で多かったのは、1位「家族・親族」112件、次いで「相続・遺言」61件、以下、「健康・医療」51件、「経済」43件、「住居」42件。全体的には不況による先行き不安が、経済や家族に影響を及ぼし、気持が萎えている高齢者の様子が伺えた。
★相談件数でいちばん多かった「家族・親族」の関係では、一人暮らし、夫婦世帯、家族同居のどのような暮らし方であっても、孤独感、孤立感を持ち、意思疎通をしたい配偶者や家族でさえ頼りにならない、厳しい現実が浮かびあがった。
★相談内容を暮らし=住まいの形態別にみると、「一人世帯」が全体の約半数(52.4%)で男女とも増加しているが、特に男性の増加が目立ち、「社会とにつながりが少ないなか、「先行きが不安」を訴えている。「夫婦世帯」では、夫の死後、遺族年金だけでは生活できない不安、また「家族同居世帯」でも、家族との折り合いが悪く、居場所がないつらさ、子どもの失業やうつ病など経済的、精神的負担に耐えかねているといった相談がすくなからず寄せられた。

今年の国際福祉機器展でA (歩行支援器具)

「一人暮らし男性を引きこもらせない対策」を 提言

★シニアの悩み110番を主催した全国シニアライフアドバイザー協会は、電話相談の結果から、「一人暮らし世帯(特に男性)を引きこもらせない対策を」〜団塊世代の前期高齢者(65歳)突入を踏まえて〜と題する社会提言を行った。
提言は、団塊世代が毎年100万人単位で65歳になる時期が到来していること、また今回の電話相談でも明らかになった、一人世帯からの相談が全体の50%を超え、男性の相談がふえていることから、特に近所づきあい、友人づきあいの少ない男性への対策を訴えている。また、地域での見守りや生活支援が徐々に進んでいるが、退職後、スムーズに社会参加が出来るような仕組みや啓蒙を推進して、引きこもりを防ぐ対策を地域や行政で早急に取り組んで欲しいとアピールしている。
(全国シニアライフアドバイザー協会「平成22年度「シニアの悩み110番」報告書より。※詳しくは(財)シニアルネサンス財団のホームページ参照。 http://www.sla.or.jp/index.html

生活保護、受給者が最多水準に・・・ 今年6月の時点で1万5人増の204万1592人となり、戦後の混乱の余波で過去最高だった1951年(昭和26年)とほぼ同水準となったことが厚生労働省の統計でわかった。生活保護世帯数も前月より8354世帯増え、147万9611世帯と、これも過去最多を更新した。内訳は、高齢所帯が42.7%で最多。生活保護の受給者は08年秋のリーマンショック後に急増したが、東日本大震災の影響で今後もつづくと見られる。
年金支給年齢の延長、雇用の一体改革は難しい?・・・現在の基礎年金の支給開始は原則65歳から。それを段階的に、まず68歳まで、更に70歳ぐらいまで引き上げる案がほぼ決まった。いつまでも働き続けようと考える人が増える一方、65歳まで雇用をしている企業は5割以下
希望者のだれもが働けるのは大企業で24%。中小企業で51%に過ぎない(厚労省しらべ)

※絵手紙のチカラ:竹下勲二郎氏は中高年の
「元気が出るページ」紙上で被災地へ
応援メッセージを送っている。
 http://genkigaderu.net/

など、高齢者雇用の拡大は容易でない。年金も仕事もない人が、ますます増える可能性も否めない。
医療費の膨張、過去最高を更新!・・・国民が1年間に使った09年度の医療費は、前年にくらべ3.4%増の36兆67億円となり、過去最高を更新した(9.29厚生労働省)。増加は3年連続で、病気やケガが長引きがちな高齢者が増えているのが主因。年齢別では高齢世代になるに従い高くなっている。
国民ひとり当たりの医療費も・・・ 3.6%増の28万2400円で、これも過去最高だ。年齢別では、65歳が16万3千10円だったのに対し、65歳以上は4.2倍の68万7700円、75歳以上が85万5800円で5.3倍(いずれも09年度)。1人当たり医療費は若年世代でも増えており、「MRIやCTなど医療技術の進歩が背景にある」(厚生労働省)とし、医療費の負担が現役世代を圧迫する構図が年々たかまっているとも述べている。 ★若者より、高齢者に病気やケガが多いのは仕方あるまい。高齢者が「好きで病気になっているわけではない!と言いたい。
夫婦の子は2人割れ、調査開始以来初・・・未婚を含む女性1人が生涯に産む子どもの数は、1.96人と、調査を始めた1940年以来、初めて2人を下回った。昨年の国勢調査で日本人の人口が減少に転じたのは「自然減」に歯止めがかからない。5年前より37万人減った。
少子化がいちだんとすすむニッポン。中国は13億4800万人、インドは14億人に達するとみられている。地球上の人口は10月末に70億人を超えた。2050年までに93億人に、という国連の推計だが、人類は、地球上の食糧不足、水不足はどう解決するのだろうか。

☆特記のない数字は、朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞を参考にしました。

■シニアウォッチング&SLA東京の年次総会
いつもユニークなプランで評判のSLA東京の年次総会を兼ねた「シニアウォッチング2011」は、紅葉の雑木林を歩きながら池に佇む白サギに・・・秋思う。あなたは、ひととき詩人?哲学者?水辺と森の散策をして、昼は「新そば」で乾杯!
◇日時:11月13日(日)◇場所:県立三ツ池公園◇集合:JR京浜東北線・鶴見駅西口改札・・・10時30分(裕次郎の墓所のある総持寺側)◇参加費:無料

■サンテーヌ土浦見学と城下町散策・・・SLA東京主催の第19回シニア住宅見学会は、去る10月30日(日)、2時間にわたって見学。昼食は施設のメニューを試食のあと、大賀SLAの案内で亀城公園、土蔵倉の残る旧街道を散策した。参加者11名。写真=見学先の玄関前で記念スナップに収まる参加者一同。

■第23回 文学歴史散歩(芝・烏森コース)・・・は、来春に延期して実施しますご了承ください。(日時は決まり次第お知らせします)


◎「ラジウム温泉って」盛んに宣伝しているけど、世田谷で見つかったラジウムとは違うの?
「ラドン温泉」も同じでしょ?だいじょうぶなのかしら(こちらは大丈夫)

「ツレでウツになりました」と連れ合いの体験談。その相手も同じことを言っていた(引き分け)
「連れかい? あの世まで連れて行くってぇ訳よ。それくれー、女房に惚れていなくちゃ夫婦じゃネーな」、ワッしは死んだら女房、連れていくよ、と下町のご隠居さん(奥さんどうする?)
愛犬ワンちゃんの体重が気になる奥様、食事を一緒に減らし、運動を増やしたらダイエットに成功したという!めでたし、めでたし!(一犬二鳥)。
濡れ落葉は昔の話。今は夫も妻も別々に、風に吹かれて飛んでいく(今模様)
遅刻常習のKさんに、「あと10分早く家を出れば?」とアドバイスしたら。「いつも 1時間前には着いているの。それでね。お茶をしているとつい・・・」(もっと遅く出よ)
毎日1万歩を歩かないと気になって仕方ない人を、歩く中毒、「アル中」と言う。「今日も1万歩ヤッター〜ツと、毎日ビールで乾杯しないと気が済まない人は「ダブル・アル中」(良性アル中)
「ホラ、あの人、ホラあそこで・・・」いつも一緒だから、それで、ちゃんと話が通じちゃうのよね。
名前なんか覚えている必要ないのよ、忘れてもいいのよ!(了解)
「旅行などのお出かけは、ザックが最適。両手は手摺用に空けておく」と高齢者の講習会で講師。「それに・・・手で持つと忘れるのよね」と受講生(優等生)
ドトール、スタバのような喫茶店、増えているけど私は苦手! だって椅子が高くて脚が届かないんだもの!(ルノアールへ行け)
<ことば>
「ケア マッピング」
・・・介護施設などへ入所する認知症患者の状態や介護状況などを数値化し、誰にでもわかるように「見える化」する方法。英国から導入された。マッピングする資格のある人を「マッパー」といい、まだ600人ぐらいしかいないが、このマッピングを導入する介護施設は増えているという。「カルテ」みたいなもの?これまでは、どうやって引き継いでいたのかしら?(口伝え?)

◆例によって農事暦から。この時期、晩稲刈り取り、脱穀、水田奈種の植付け、麦播き。葱、人参、里芋、蓮根、カブ等の収穫とある◆みちのくの新米がセシウム検査に合格した。本当に良かった。もし、自分の土地の米が食べられなかったら精神的に更なる大きなダメージを負っただろう◆菜の花の種播きを忘れていた!毎年、正月に鉢で咲かせて近くの老人ホームへ届けている。ボケた!(岡)

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