この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。

No.56/2012.2.8(水)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出の ちから」

*第3作 ALWAYS三丁目の夕日`64 の頃 <昭和39年>1964年

●第1作は東京タワーがつくられた昭和33年の話だった。上映中の第3作はその6年後、東京オリンピックが開催された年の設定だ。
●日本は敗戦から19年経っていたが、人びとはまだ自分たちは貧しいと思っていた。
●東京は、いたるところで建設工事の音が響きわたり、原っぱには土管が転がっていた。
●三丁目の横町では、子どもたちが群がって遊び、駄菓子屋があり、医者はオートバイで気軽に往診にくる。第1作とあまり変わらない風景。一台のテレビに大勢で歓声をあげる風景があり、悩みごとの多くは近所の人びとの人情で解決する、コミニティ―が成り立っていた。(このシリーズ最終回。次号より、新企画)

*どこの横町にも、「地域支え合い」の風景が当たり前にようにあった時代。

<小さな特集> 「高齢弱者」
「幸福度」のちから


※水彩画は:「築地本願寺」。 藤木亘「小さな画室」より。
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/ 

ブータン国王夫妻が爽やかな印象を残して帰った。着ているもの、笑顔から、「幸福」のオーラが出ていた。 「キミたちも、みんな強い龍をもっているよ・・・」。被災地での、こども達への励ましのことばもステキだった。GNP(国民総生産)より、GNH(国民総幸福量)へと、力まずに言いのこして・・・帰って行った。

「幸福度日本一」の県は何に優しかったのか?
折しも「幸福度調査」の結果が発表された。日本一は福井県。2位に富山、3位に石川など北陸3県が上位を占め、東京は38位、大阪は最下位だった。
今回のランキングは、坂本光司(法政大大学院教授)らの研究グループが「国民総幸福量(GNH)の考えをもとに、「地域住民の幸福度を端的に表している」と考えられる40項目を得点化し順位づけした。このランキングで低順位の県などから不満や、独自の指標を使ってランクアップを試みるなど異論も出ているが、「女性」、「高齢者」、「子ども」、「障害者」、「働く人」・・・この5者に優しいところが高得点・・・だったというのだから、素直にうけとめてよい。
このランキングは以前、元の経済企画庁が「新国民生活指標」として実施していたもので、今でも内閣府の経済社会総合研究所チームが、「幸福度に関する研究報告」などをまとめ、「幸福度指標試案」などを提言しているが、途中で大震災に遭ったこともあり進んでいない。
坂本教授らのランキング評価はともかく、住民の誰もが幸福に感じられるような町づくり、コミニュニティーづくりを目標にして欲しい。
1970年代にブームとなった「幸福駅」(帯広市)が、再び観光客の注目を集めているという。その土地の歴史をさかのぼると、ここはその昔、「幸福度ナンバー・ワン県」になった福井からの開拓入植地だったというから縁とは異なもの、二重にハッピーな話だ。
映画「幸福の黄色いハンカチ」も、山田洋次監督自身が被災地との絆を深めた。希望、やさしさ、勇気、再生、幸せ・・・いい映画には、そんなチカラがあるのものだと思わせた。

施設から在宅へ。介護サービスは万全か?
4月から実施の介護保険サービスは、「24時間対応の訪問サービス」と医療ニーズへの対応を目玉にしている。毎月の定額でヘルパーや看護師が定期的に巡回、必要に応じて呼び出せるサービスを始める。高齢者向けマンションは“高専賃”を見直し、1階に介護の事業者が入ることを条件に国交省と厚労省が促進する。介護施設での看とりへの報酬や、医療行為の緩和、報酬加算もできるようになる。改定の柱は、自治会やNPOといった住民まで参加して地域介護の姿を描く「地域包括ケア」だが、課題もある。生活援助は60分から45分に短縮になることに無理はないか。人材は確保できるか、在宅復帰の実績によって事業者の報酬単価を変えるなど官の主導の行き過ぎに弊害はないか。不安も残しながらスタートする。
「金曜入院・月曜退院」はダメよ
厚労省のしらべによると、金曜日に入院した患者の平均入院数は18.14日と、曜日別でいちばん長いという。一方、退院では月曜日が17.79と最長。そこで「金曜入院・月曜日退院するケース」は医療費のムダと、病院への報酬をカットする考えだ。中央社会保険医療協議会で了承されれば4月から実施される。「午前中退院」の場合も全日でなく減額するという。厚生省と診療側のバトルだが、患者の都合はどうなのだろう?気になる!
厚生省では更に、院内を全面禁煙していない病院には、診療報酬を減額する法案もあがっている。筆者もタバコの煙は苦手だが、ここまで?省のやることは、もっと大きいことを!
「シニアの消費市場100兆円を狙え!
シニア世代(60歳以上)の年間消費支出が、初めて100兆円を突破した。個人消費全体の44%に達し、旅行やスポーツなどの分野で新たな市場も生まれている。前年比2.4%の増加で現役世代より旺盛だという(日経1/21)。企業もシニア対応を急いでいるが、シニアマーケットの把握は、十分とは言えない。今年は団塊世代(1947〜49年)が65歳を迎える最初の年。シニアの財布は決して固くはない。アクティブシニア層も厚い。官も民も、シニアを動かす作戦で活性化を図ってほしい。その方がいくらかでも経済の下支えの足しにもなろう。  

▲筋力補助器具のデモ。第38回国際福祉機器展で

50年後の人口3割減、高齢者が4割
2010年に1億2806万人だった総人口は、50年後には3割少ない8600万人まで減り、そのうちの4割は65歳以上の高齢者。国立社会保障・人口問題研究所が、このほど2060までの将来推計人口を公表した。少子高齢化の傾向はいまに始まったことではないが、社会保障との一体化論争の最中なので、今回は、ことのほかクローズアップされた。
高齢者1人に対する15歳〜64歳のいわゆる現役世代の数は現在の2.8人から1.3人まで減り、年金や医療など世代間で支え合う仕組みが揺らぐことになる。今は、お年寄り1人を2.3人で支える形の「騎馬戦型」から、1.3人で支えなければならない「肩車型」へ(朝日新聞の記事の図解)が、わかりやすかった。
平均寿命 男性84.19歳、女性90.93歳
60年時点での平均寿命は男性も現在の現在は男性79.64歳から84.19歳へ、女性は
86.39歳から90.93歳へと、いよいよ100歳時代を迎える。男性は0.05歳上がって、女性は0.05歳下がったのは5年ぶりだが、女性が世界一には変わりない。
ちなみに男性は世界第4位(2010時点)。人口推計の土台となる出生率は、わずかに改善されるものの、少子化傾向は解消されない。たかが平均寿命、されど・・・50年後、まだ先のことと無関心ではいられない。人の寿命はコントロールできないが、若い世代が安心して子育てできるような助っ人ぐらいは、リタイア世代にもできる。
なぜ?いまひとつ進まない見守りネット
認知症の人が徘徊などで行方不明になったとき、警察だけでなく地域の関係者も協力して発見につなげる「徘徊・見守りSOSネットワーク」。厚労省も「地域支え合い事業」として後押ししているが、広がりがいまひとつ。全国規模の調査(NPOシルバー総合研究所)でも、回答のあった880市町村で、見まもりSOSネットが整備されているのは3割弱に過ぎず、整備済みのところでも、「活発に活動している」は57か所、「活動していない」が14か所。逆に無回答が4割に及んだ。どこかがうまく咬み合っていない?
原子炉の寿命は40年プラス20年?
原子炉の運転期間で、もたついている。「40年過ぎたら稼働させない。だが、場合によっては20年延長もできる」というものらしいが、あいまい。すでに40年を過ぎている福島1号や美浜はどうするのか?運転を止めるだけならいいが、廃炉にすれば捨て場がない。こんな法案より、もっと代替エネルギーへの国の方針を早く明らかにしないと、研究開発も民間の参入も足止めを食って、いつまでも海外の高い資源を買うはめになるのでは。

※絵手紙のチカラ:竹下勲二郎氏は中高年の
「元気が出るページ」紙上で被災地へ
応援メッセージを送っている
http://genkigaderu.net/

豪華客船の船長と避難マイクを握りつづけた「天使」と・・・
イタリアで起きた豪華客船コスタ・コンコルディアの座礁事故。船長が客をしり目に、「いちはやく救命ボートで逃げた」とサ。一方、「早く、早く、高台へ逃げてください!」と命がけで、有線放送で叫びつづけ、自分は津波の犠牲となった南三陸町の職員、遠藤未希さん(24)の功績が、この春から「天使の声」のタイトルで埼玉県の公立学校の道徳の教材になるという。かの船長は、裁判にかけられるらしい。
オレオレ詐欺の撃退に録音機?
  被害額は34%増の106億円、首都圏など一都3県で7割を超す。被害者の9割が60歳以上で、8割が女性(警視庁1/19)。いつまでも減らない振り込め詐欺の撃退に、警視庁は、「これから通話を録音します」のテープが入った機具を無料で取り付ける作戦にのりだすという。(このアイディア、小紙の「シニアのことば」でも出ていた)

不安がいっぱい 安心をください!

★このところのマスコミ報道に、いろいろな分野で、ニッポン丸の減速、失速を表すマイナーな数字があがっている。日銀は2011年度と12年度の経済成長率の見通しを引き下げ、マイナス成長と予測した。11年度を0.3→マイナス0.4に下方修正するとともに、12年度もプラス2.2→2.0に下方修正した。国の経済の成長も、「幸福指数」も遠のくばかり。

マイナーな数字が並ぶ日本。これでいのか?
今も、次代も、気になる!

的年金 4月分からO.3%減・・・物価下落にスライドして6月支給分から引き下げると発表した(1/27日、厚生労働省)。引き下げは2年連続。これとは別に、過去の物価下落時に据えおかれた分も、こんご3年かけて引き下げる考え。法案が通れば10月分(12月支給)から0.9%引き下げられる。(読売ほか)
消費者物価指数、3年連続下落・・・2011年度の全国の消費者物価指数は、生鮮商品を除いた指数が100を切り前年より0.3%低下した。これにより、年金の支給額が調整された。
雑誌の販売が7年連続で前年を下回わる・・・2011年の書籍・雑誌の販売額(電子書籍を
除く)は前年比で3.3%の減。特に雑誌は6.6%減と過去最大の落ち込みとなった。
自動車の国内生産は13.4%減・・・・大手8社の2011年の生産・輸出実績は、大震災につぐタイの洪水で部品が間に合わなくなったこともあるが、自動車生産のナンバー・ワンは、米国へ譲った。中国、韓国グループが迫って来ている。
31年ぶり、貿易収支の赤字・・・・震災による自動車を中心とした輸出不振や原発事故による液化天然ガス(LNG)の輸入増が直接の原因というが、これまでもわが国の貿易収支の黒字額は減少傾向にあった。「売るものがないニッポン!」。大国ではないことを早く自覚するとき。

外歩行補助ロボットの一種。 「第38回・国際福祉機器展」で▲

日本への外国旅行者は27.8%減・・・ 平成23年度の国人旅行者は621万9千人だったが、この下げ幅は大阪万博の反動で落ち込みの大きかった昭和46年の22.7%を上回る過去最大の減小となった。ちなみに日本への観光客の国別では、韓国32%、中国26.1%、台湾21.6%の減。
海外留学生数、7位に脱落・・・かつて米国への留学は日本が世界一だったが、ピーク時の45%と激減している。米ハーバード大に入学した日本人学生は100人(10年度)に過ぎず、同じ時期に中国、インド、シンガポールは倍増している。ドイツなどは7割近く増えているという。米国を含む海外大学への日本人留学生も同様に減りつづけている(文科省しらべ)。
ほかにも、「百貨店の売上高は15年連続減」、「サラリーマンの定期昇給は無理」、「都税収入、5年連続の減」など、ニッポンのマイナーな数字がつづく。

☆特記のない数字は、朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞を参考にしました。

<春を感じながら、歩きませんか>
■第24回 文学歴史散歩 「芝・烏森コースを歩く」  
  芝地区は、徳川将軍家の菩提寺「増上寺」と江戸子の神社「芝大神宮」の町として発展しました。今回は、その「増上寺」を軸に、近くの「芝大神宮」や愛宕神社、更に復元された明治初年の「新橋駅」の駅舎を訪ねます。 ◆案内人:酒井文夫SLA
◆実施日:平成24年3月11日(日)(小雨決行)
◆集合:都営地下鉄浅草線・大江戸線「大門」駅 B1出口10時(JR京浜東北線の「浜松町駅」と接続しています。)
◆コース:(総計約3km、3時間コース) :@芝大神宮、A尾崎紅葉生誕の地、B増上寺(三解脱門、大殿、霊廟(秀忠、お江、和宮等)、C青松寺、D愛宕神社(NHK博物館)、E浅野匠頭終焉の地、F烏森神社、G新橋駅旧駅舎。解散:JR線・メトロ線「新橋」駅。
◆申込・問合わせ先:SLA東京事務(担当:岡田)

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<あなたの出番が、あるかも・・・・>
■「市民活動ファエア」を覗いてみませんか
◆日時:3月10日(土)・11日(日)両日とも午前10時〜午後4時まで
◆場所:かながわ県民センター1階〜15階。SLA神奈川のグループでは、健康づくり、終の棲家、介護、成年後見制度、ひとり暮らしなどの相談から、パソコン教室など、シニア向けのコーナーを設ける。
この市民活動フェアは、伊東靖明さん、古屋嘉祥さんらが実行委員会のリーダーとして推進しています。◆問合わせは 伊東までT&F 045-581-0377 : ya-itoh@mf.point.ne.jp

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■春の全国一斉電話相談「シニアの悩み110番」
全国シニアライフアドバイザー協会主催(財・シニアルネサンス財団後援)の第32回・全国一斉特設電話相談「シニアの悩み110番」が下記により実施される。
◆日時:平成24年3月24日(土)・25日(日)10:00〜17:00
◆参加協会は、北海道(札幌)、関東(東京)、中部(名古屋)、関西(大阪)、東中国(福山)、
  中国(広島)、九州(福岡)の7協会。

スカイツリーの高さを自慢する人に、東京タワー派?老人、「高ければいい、というもんじゃない、どうせ天国へは届かないんだから・・・」(落ちたら地獄)

「長生きしたくない」なんて言う人は罰があたるよ。1日、1分、1秒を大切に生きているひとだっていっぱいいるんだからね!(シーン)
「娘が買ってくれたロボット掃除機ルンバ、押し入れに隠してあるの。だって一生懸命にお掃除してくれるヘルパーさんに悪いでしょ」(ムダ遣い)
「ロボット掃除機は、モノが散らかっている部屋では無能と言われた。だから、先に「お片付けロボット」を買わなければ!(買えば)
「東海地震が30年間に88%の確率で」、「首都直下型は4年以内に70%、30年以内は98%の確率で起こる」と地震研究所。私の生きている内は、お願い、来ないで!(わかんない)
シニアの健康教室で、「口八丁、手八丁、足八丁」が大事という講師。「だめ、私、ひとつだけだわ。いちばん最初のだけ」(それでよい)
「私、認知症じぁない!」というひとほど危ないと言うわね。逆に、「私、アルツハイマーなの」というひとはどうなのかしら?(ホントかも)
一人カラオケが流行っている・・・「そんなにマイクを一人占めしたいの?次は私、その次も私で、独壇場ってわけね。拍手は欲しくないのかしら?」(自分で拍手)
笑いは健康のクスリ、人の失敗を笑うのは毒。笑顔はカラダを温め、暗い顔はカラダを冷やす・・・
  という。その証拠に国会の先生方を見てごらんなさい。みな風邪をひいている(日本も)
西暦だけでなく和暦も必ず併記してくださいな。この通信もそうよ! 「今、平成何年?」(了解)
  50年後には1人の年寄りを1人の現役世代が背負うことになる。「肩ぐるま型」人口ピラミッドというやつね。「大変だワ!うちのパパ、メタボだから」(?)
老人ホームの場所を聞いたら、「えーと」と言ったきり、携帯をのぞきこんでいる。「無愛想な女性め!」と思っていたら、「ここですね」。アイフォンで調べてくれていたのだった(優しい美人)

◆20数年ぶりの大雪は、久々に都心にも積った。雪国では雪おろしや道路の除雪作業がつづく◆お年寄りが黙々と軒先の深い雪をかくシーンも見た◆東北のひとも強いが、北陸のひとも強いと思う。その姿は「自然に感謝することはあっても、恨むことはない」。そんな風につぶやいているかのようだ◆立春も過ぎ、日本列島のどこにも、穏やかで恵みの多い春が早く来て欲しい(岡)

SLAの情報交差点
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