この通信は、シニアが気になる!数字やトピックスから、安全・安心な社会をさがし求めます。

No.58/2012.7.9(月)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出のチカラ」(27)

「家付き、カー付き、ババア抜き」 <昭和35年頃の流行語>

●昭和35年(1960年)ごろに流行った、若い女性が希望する相手の条件をいったことば。結婚相手の希望像は、その後も三高や三低などと時代と共に変わったが、核家族化への予兆だったというひと人もいる。
●この年、池田内閣の「所得倍増計画」は、1961年から10年間で実質国民所得(GNP)を26兆円にさせる計画だった。
●国会では野党の「荒唐無稽の計画だ」との非難に、池田首相が「私は嘘を申しません」と答弁したのも流行語になった。その後、日本経済は驚異的に成長、国民一人当たりの所得は約7年で倍増した。
●「家付き、カー付き・・・」の元語?はすでに死語といわれながら、三世代家族の減少、ひとり暮らし単身世帯の増加など、「住まい」と「家族」の事情は、時代とともに新しい社会課題がつぎつぎと生まれている。

(出典:ザ・20世紀)

*若い世代の「持ち家」願望と、姑抜きは今も変わらないが、「独居老人」の増加は想定外?

<小さな特集> 「高齢弱者」
「老後のすみか」は?

首都圏で、一世帯の平均人員が2人を割ったことは、前号でも伝えたが高齢者は、いずれはひとりになるのが、少なくとも首都圏においては現代の家族環境といえる。
今どき、「ババア付き」の三世代家族を探すのはむずかしいほど減っている。一方で、老後に備え住み替える人が増えている。歳をとるに従って戸建ての持ち家の維持管理は苦痛になってくる。マンションタイプが多くなるのも、首都圏などでは当たり前のような流れになっている。マンションタイプで駅に近いこと、医療機関に近いこと、坂道でないこと、更には、音楽や芸術などの文化施設に近いなどを条件にすると、限りなく庶民には手の届かない高額な物件も多い。超高級レジデンスから軽費老人ホームまで、老後の住居はたしかに多様にはなったが、年老いてからの終のすみか探しは、容易ではない。
国が後押しする、「サービス付き高齢者向け住宅」の背景は、高齢者向けの住まいの絶対的な不足という。だが都内には、空き家の戸建て住宅が増えている(小紙、前号でも既報)。住居戸数が足りないのではない。「家族」で住む人の絶対数が減っているからに過ぎない。そのミスマッチが埋まらないかぎり「高齢者単身」世帯の不足はまだまだつづく。


※都電荒川線「大塚」/藤木亘「小さな画室」より
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/ 

★安心、期待できるのか?老後の住居「サ高住」
新たな高齢者の住まいとして昨年、制度がスタートした「サービス付き高齢者向け住宅」が、やっと動きだした。個室の面積が原則25u以上、義務づけられているサービスは、安否確認と生活相談の2点だけ。昼夜を問わずスタッフが常駐する。「サ高住」の国の位置付けは、「要介護度の高くない中間所得層が入れる住居」。だが、介護度の高い人でも積極的に受け入れようとする事業所も多く、実態はさまざま。地域によって差はあるが月額5万〜10万円程度と低めの設定で、有料老人ホームと軽費老人ホームの中間層を中心に「独居」のお年寄りや、特養の待機者など、幅広い層にとって老後の住処の選択肢がひろがったことは確か。

★要介護度が上がった場合は?「サ住」を選ぶ注意点
建築費補助や税制優遇で、国が後押しする「サ住」は、異業種の参入もあって毎週1千戸のペースで増えているという。事業者によって2つの義務以外のサービス内容はさまざま。家事援助や介護が必要になったときの対応にも差がある。最大のチェックポイントは「介護度が進んだ場合にどうなるか」という、他の有料老人ホームなどと同じ心配だ。一人り暮らしのお年寄りに、住まいの提供はするが、介護事業者と入居者が訪問介護や看護などの契約を個別に結ぶ必要があるからだ。「賃貸」という形がいいかどうかも、個人差があるかもしれない。
 ※「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」は こちらから ―→

★増福する、デイサービスの宿泊利用
その名のとおり、日帰りで入浴や食事などのデイサービスをうける通所介護施設で宿泊利用者が増えている。1泊800円で4か月「宿泊」している利用者もいるという。介護保険の適用外のサービスだが、明確な規定がないため行政の監視の目が届かない。
  背景には、特養ホームの待機者が多く、行き場を失った高齢者の需要がある。神奈川県が昨年実施した調査では全体の1割にあたる122施設で宿泊サービスをしており、1年以上連泊している施設が17あった。また朝日新聞が「お泊まりデイ」の実態を調べたところ、東京23区で10、11年度に把握した宿泊サービス中の時間内に事故は65件あり、7人が亡くなっていた。老人ホームは高く、特養には待っていても入れない。この関係図が改善されなければ、この現象は無くならない?

▲シニアのホビー展(目黒)で

★90代の生き方を学ぶ、「アラウンド90」市場
人生90年時代。自分が「90になったら、どう生きたらいいか?」・・・60代、70代の「90歳予備軍」の人びとが気になりだした。「アラ90マーケット」というらしい。まずは90代著者によるハウツウ本の売れ行き。「80歳はいまや普通、100歳はまだ例外の感じがする。90歳だからこそインパクトがある」のだという。この人たちは、関東大震災のころに生まれ、戦争や不況、豊かさも知っているが、基本的には質素でシンプルな生き方を提言している。
多くは「一人り暮らし」でもある。生活評論家の元祖?吉沢久子(94)氏のシリーズ、女性報道写真家・笹本恒子(97)氏の『好奇心がール』、柴田トヨ(100)さんの『くじけないで』などアクティブな生き方に学ぶ。自分の90代に不安があるからか、自分もアクティブに生きたいからか。特集記事を見ながら、「男性の60代、70代はどうしているのだろう?」と思ったものである。

★買い物困難者に、超小型EV車で宅配サービス
セブン・イレブンは高齢者など買い物困難者へ宅配する「らくらくお届け便」を、最近トヨタが発売した超小型一人乗り電気自動車「コムス」をつかって実験をはじめる。客は電話注文のほか、店内の商品の何でも手ぶらで買い物ができる。在宅高齢者むけ「出前弁当」を早くから実施している大田区のダイシン百貨店は、70歳以上の高齢者や妊娠、体の不自由な人を対象にペットボトル1本から無料配達の「しあわせ配達便」が好評なため配達エリアを広げる。地域のスーパーやコンビニは、これからも高齢弱者の理解者になり、お店もまた潤って欲しい。

★社会活動への参加は長生きの「かぎ」?
「適切な運動」、「栄養」、「社会活動の参加」の3要素を満たしたひとは、要素を満たさない人にくらべ死亡率が半減したという(静岡県の推計)。県は、1999年に県民1万363人の高齢者(65歳〜84歳)を対象に飲酒や喫煙、運動など30〜40項目を調べた。この結果と、2010年までに亡くなった1,117人の当時の回答内容を追跡し統計処理して算出した。
その結果、週5日以上歩く(運動)、肉・魚・大豆・卵を含むおかずを1日3回以上食べる(栄養)、町内の作業やボランティア活動を週2回以上取り組んでいる(社会活動)をしている人は、死亡率が51%減少した。運動と栄養だけでは32%にとどまった。(朝日)

★皆で楽しく避暑・節電。お年寄りの「猛暑避難所」
2度目の節電の夏がやってくる。「涼」を呼ぶグッズやドリンクをはじめ、庶民の節電アイディアはたくましい。清瀬市の老人クラブ「むらさき会」は、夏季の3か月間、土日も含めて団地内のホールを「避難所」として開放、高齢者むけの体操やイベントを企画して一緒に楽しみながら猛暑を防ぐ。市の要請もあって昨夏から始めたが、「避暑地へ行こう」と好評だ。品川区でも区内のシルバーセンターなど62か所に「避暑センター」を設ける。世田谷区も、負けじと区民センターや公衆浴場など約200ヵ所に「熱中症予防お休み処」を設ける。こうした公共施設へでかけるのがおっくうなら、ご近所同志が寄りあって、日替わりで居場所を提供すればエアコンの節約にもなる。ご近所とのおつきあいも深まりハッピーだ。東電も行政も、「計画停電」」などで脅すより、こうした取り組みに知恵をだし支援すべきだろう。

▲シニアのホビー展(目黒)で

不安がいっぱい 安心をください!

★「あなたは何分間、走れますか?」 中高年の運動量増える
1週間に運動する時間が最も長かったのは男女とも60代がトップで、2時間54分。女性が1時間43分だった(2008年の社会生活基本調査=総務省)。2位は70代男性の2時間25分、50代女性の1時間8分。
40、50代の運動時間も20年にくらべ全体で約1.4倍に増えているが、逆に20代、30代は2割減った。がんばる中高年。文科省の別のデータでは、75歳〜79歳で「10分以上走れる」と答えた人は、男性25%、女性15%だった。あなたはどれぐらい運動していますか?

★「健康寿命」は男性70歳、女性73歳――「不健康な期間」が延びる?
一生のうち、生活に支障なく過ごせる期間の平均を示す「健康寿命」の2010年度の結果は、9年間前に比べると平均寿命は約1年半延びたのに比べ、健康寿命の方は約1年にとどまった。(厚労省の研究班のまとめ)。つまり、その分、医療や介護が必要な期間が長くなったことになる。国民生活基礎調査で、「健康上の問題で日常生活に影響がない」と答えたひとの割合からはじき出した「不健康な期間」は、男性が9.22年、女性は12.77年。つまり「医療費が掛る」と言いたい数字。

★日本の科学者の話は信用できない!?
東日本大震災をきっかけに科学者に対する国民の信頼が下がった。「科学者の話は信用できる」が、震災前のデータでは84.5%と比較的高かったのに、1年後には64.2%と20ポイントも下がった(文部科学省 「科学技術白書」)。今回の「ヒッグス粒子」発見チームへの参加で挽回できたか?科学者ばかりではない。福島原発への処理と、超高齢社会への対応を世界中が見ている。

★再生可能エネルギーの買い取り制度が始まった
太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなど再生可能なエネルギーの買い取り価格が決まった。原発の稼働は急ぐべきでないし、輸入に頼らない再生可能な国産エネルギーだ。太陽光が42円、風力が23.1円などの値段がついたが、電力料金に上乗せになる。こんな簡単に価格が決まっていいの?電力会社がからむと、なぜか疑問符が出てくる。

★つながらない?「いのちの電話」
毎月10日の無料相談には延べ85万7千件の電話が掛ってきた(2010年)が、つながったのはわずか3万5千件しか対応できなかった。いのちの電話は「日本いのちの電話連盟傘下の全国52か所で自殺予防の電話相談をしているが、相談員の不足でつながり難く、特に無料相談日は全体の4%に過ぎなかったことがわかった(総務省)。


▲シニアのホビー展(日比谷)で

★健康美のものさしが変わるかも
日本人のとくに日本の女性のやせたい願望は、欧米のそれをしのぐという(2010年、国民健康栄養調査)。20代の女性の29%がBMI18.5に満たない。たとえば背丈160cmで体重が47〜48Kは、終戦直後の食糧難時代と比べても低いという。5〜7歳の女子の平均体重は全年齢で前年を下回った。妊婦のやせ過ぎによって、新生児の目方まで減っていると聞くと、おそろしくなる。竹棒のような脚、気になっていた。
※特記のない数字は、朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞を参考にしました。

★男性の平均寿命は、“鳴く虫”、女性はハロー・サンキュウ!と覚えよう
試験に出るわけではなし、たかが平均寿命。されど・・・である。男性79.64歳、女性86.39歳。ただし、調査時ごとに変わるから、このごろ合わせにも寿命があるのでご注意!。

★第21回シニア住宅見学会
レストヴラ仙川(介護付き有料老人ホーム)へ
◆日時:8月12日(日)
◆集合:京王線仙川駅
◆集合午前10時。案内人:沢木清美SLA
◆参加費:無料(昼食試食代は別途)

★シニアウオッチング兼SLA東京総会
秋色の多摩丘陵の雑木林を抜け、山野草の谷戸へ至る。
多摩丘陵の自然が残るサンクチュアリーを通り、尾根緑道、鮎の道をウオッチング。
総会(ステーキハウス・ガストを予定)
◆日時:11月11日(日)
◆場所:都立小山内裏(おやまだいり)公園(八王子市南大沢)
◆集合:午前11時 京王相模原線「多摩境駅」
◆案内人:沢木清美SLA

★問い合わせ・申し込みはSLA東京(下記へ)

 
★アラ90  ★節電  ★パンダ  ★原発

通いなれた診療所が改装された。看護婦さんに「キレイになりましたね」と言ったら、「あら、と顔を赤らめた」(ハッピーな誤解)

同窓会で、「あれから10年ですからね、お互いに年をとりましたね」(男)、「お互い」は失礼よと女性が不服そう(不幸な誤解)
電気を消すのだって、まったく抵抗ないわよ。風呂敷をかけた時代思い出すわ(通じる世代)
朝ドラ「梅ちゃん先生」の高視聴率すごいね。いい時代だったもの。皆思い出しているのよ(多分)
ロンドン・オリンピックも夏の甲子園も・・・もうすぐ開幕なのよね。なぜか、いまひとつ盛り上がり欠けてるんじゃない? 「がんばれ!ニッポン」を使い過ぎたのよ(まさか)
「ひとりで生きられても、ひとりでは死ねないのよね」。最近、一人暮らしの友人を見送ったひとの体験談。けだし名言(合掌)
世界的な大発見!「ヒッグス粒子」の話。何度聞いてもわからない。いいの、いいの、今すぐどうのこうのではないの。うんと先のこと。「原発を閉じもめることできないの?」(出来るかも)
パンダの母親。少産、未熟児、子育てに神経質な母親。どこかの人間と似ていない?(似てる)
パンダさん、ありがとう!これで少し、小沢や民主党の下らない話題が静まるわ。(静まらない)
ネコの年齢は人間の4倍なんだって。うちのタマはまだ15歳。ネコの世界なら、私まだ16歳という計算になるわ(了解)
◎  消防庁によると昨年、「真夏に熱中症で救急搬送された患者の44.1%は高齢者だった」という。多いの?少ないの?だから、どうすればいいの?(注意のつもり)
「花葬儀」って名前がいいわね。「樹木葬」も人気らしいわ。どっちがいいかしら?(お好きに)
「消費税反対」、「原発反対」は選挙で有利と小沢新党。「そんな甘くないよ、国民は」(辛い)

◆早いもので、暦は今年の折り返しを過ぎた。紫陽花が終われば、朝顔市。浅草寺のほおずき市は「四万六千日」の縁日でもある。この日に拝めば4万6千日分のご利益があると伝えられる。またの説は一升枡の中の米粒が4万6000個だったことから、一升を一生とかけて末永くご利益を願ったとも。昔の人の知恵と米粒の大切さ、根気のよさに感心する。この号がお手元に届くころは梅雨明けだろうか(岡)

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