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No.58/2012.9.17(月)発行
発 信/SLAとうきょう

昭和の風景は「思い出のチカラ」(28)

「核家族」と「二世帯住宅」 <昭和38年頃の流行語>

●「核家族」……高度成長期に人口の都市部への移動が集中するにつれ、核家族化の比率が高まり、1963年(昭和38年)に流行語に。大家族から離れ夫婦と、その子で構成される単位の世帯。その比率は1975年(昭和50年)の64%を頂点として低下しはじめるが、現代では、むしろ親世代の単独化、高齢者の単独世帯化が焦点になっている。
●「二世帯住宅」……もともと住宅メーカーの商品名。1975年の核家族化と背中合わせに、親世代と子世代が同じ屋根の下に住みながら「独立」世帯を営む住居構造を提案し受けた。
●現代では二世帯のメリットを活かしつつ親世帯と子世代が独立した共用二世帯や、玄関・キッチン・浴室を共用する「融合二世帯」などへ多様化している。

(出典:ウィキペディア)

*「在宅介護の家」といった住宅、流行語になるほど生まれないものか。

<小さな特集> 「高齢弱者」
「住まい と 介護」

「家族に、要介護者を抱える社員が今後ますます増える…」。大手企業を中心に働き盛り世代の社員が、家庭に要介護者を抱えたときの対策をはじめているそうです。
2025年には、「団塊世代」が後期高齢者に突入すると、その時代の中核を担っている「団塊ジュニア」世代が、ちょうど親の介護に直面することになる。多くの企業で、仕事と子育ての両立に関する制度はそれなりに整備されてきましたが、「仕事と介護」との両立という新しい課題への取り組みは、まだはじまったばかり。ある経営コンサルタントは、「高齢社会先進国のわが国が、仕事と介護を両立する就業関係をいかに整備できるか?は、原発・核エネルギー政策と同じぐらいのウエイトで世界中から試される」と言っています。
かつて流行語にもなった「核家族」は、もともと大家族が一般的であったところへ、高度成長期による人口の都市集中化によって生まれた少人数分割世帯のこと。「二世帯住宅」も、「核家族」と同じ時代にうまれた流行語。ただ、そうした住いの形態とは別に、在宅での介護はできるのだろうか?遠距離介護をふくめ、個人の尊厳を損ねず社会と家族と患者が一体となった「地域包括ケア」構想は、図の上では理解できたが、「在宅介護を上手に出来る法」といったスキルやら、具体例で「見える化」を図って欲しい。


※「井戸ポンプのある風景」(谷中)/藤木亘「小さな画室」より
http://www.ne.jp/asahi/fjk/art/ 

★要介護認定者数は年々ふえている。当然のことながら75歳以上の要介護(要支援)者の伸びが大きく、この11年間で225万人の増加、約427万人に達しています

★人生晩年をつつがなく、「健康寿命」に関心
ことし初めてデビューした「健康寿命」に関心が寄せられている。介護を受けたり、寝たきりにならず、健康上の支障がなく生活できる期間を示すのが「健康寿命」。先に、世界保健機関(WHO)が打ち出した構想に合わせ、厚生労働省が採用した。今後は「健康21」など国民の健康づくり計画に盛り込んでいく。健康寿命を延ばせば、医療・介護関連の予算抑制にもつながるから各省とも必死だ。
それによると、男性「70.42歳」、女性「73.62歳」(2010年)。同年の平均寿命が男性79.55歳、女性86.3歳なので、そこから健康寿命を差引いた年数が、“健康が気になる” また“病とふたり連れ”の期間。22年では男性の約9年(9.22年)、女性13年(12.77年)だ。

★男性は「ハイ! 行こう!」、女性は「花々」
厚生労働省は、健康寿命の延び幅が上回ることを目標に、22年の平均寿命を、男性が「81.15歳」(伸び幅1.6歳)、女性が「87.87歳」(同1.57歳)と予測を発表した。語呂合わせは…男性は「ハイ!行こう!」、女性は「花々」…と、明るく前向きに覚えませんか?
一方、介護期間の平均は、特別養護老人ホームで見ると約4年という統計もある。入所前の家庭や他の施設などでの介護をいれると、介護期間はさらに長いと想像される。
医療とも無縁ではない。人が生涯にかかる医療費は2千300万円と推計されるが、その約50%は70歳以降に費やされるというデータもある(09年度)。健康寿命を超えると、70歳代後半をピークに、医療費の負担が重くなるという計算だ。(8.27 東京ほか)


▲シニアホームの「思い出の絵画」より

★生涯学習の実践・参加が過去最高
この1年間に文化活動や趣味、スポーツ、資格取得などの生涯学習活動をした人は57%を超え、過去最高だった(内閣府9月1日)。年代別でも、すべての年代で生涯学習実践派が増加している。なかでもトップは20代で70%と、若い世代が積極的なのが目立った。具体的な内容(複数回答)では、「健康スポーツ」の30.4%、「音楽や芸術など趣味的なもの」25.7%、「技能や資格取得」の15.2%がこれにつづいた。
一方、生涯学習をしていない人の理由は「仕事がいそがしく時間がとれない」43.4%、次いで「きっかけがつかめない」20.9%だった。(全国の成人男女3000人対象の調査)

★医療費は、過去最高の37.8兆円
厚生労働省は、2011年度の概算医療費が、前年度比3.1%増の37兆8千億円になったと発表した。医療費の増加は9年連続。金額は過去最高だった。医療技術の進歩をうけて高額医療をうける人がふえた。また70歳以上の医療費は17兆円と全体の45%を占める。

★消費者被害額27億円、スマホの相談6倍
相談件数こそ前年度10年度にくらべ3%減の86万6千件だったが、被害額はグンとふえた。
内容の分野別では通信サービス(25%)が最多で、急速に普及するスマートフォンを巡る相談が前年度の6倍強の1万6000件を占めた。通信料のトラブルが多かった。次いで「金融サービス」(15%)、投資商品を巡る相談件数も前年より57%増の約2万8千件に上り、高齢者を中心に訪問や電話で高い利回りや「元本保証」をうたって勧誘する手口が依然として多い。

★在宅医療に向け、地域責任者7000人配置
厚生労働省は、住み慣れた場所で医療や介護サービスを受けられる体制をつくるため、中核となる人材を育て配置する。今年度中に7000人以上の責任者を置き、地域事情に応じた24時間体制の在宅医療や介護サービスを実施することで、病院に頼り過ぎる体質の改善と効率化を狙う。最終的には各都道府県に150人程度の医師、看護師、ケアマネージャーのほか、医療ソーシャルワーカーも登用する。これら全国7千人に上る責任者は、主に町村レベルで調整役を担う。(8.27 日経)


▲シニアホームの「思い出の絵画」より

★UENO 3150(上野さいごうさん)が再開発
戦後、焼け野原となった上野の露天からはじまった「西郷開館」が4年振り、新しい建物でデビューした。元祖ファミリーレストランとされる「聚楽台」は高度成長期に、東北や北陸から集団就職の若者が初めて食事をした思い出、同郷の仲間と旧交を温める場でもあった。その「聚楽台」は入らないが、西郷さんはライトアップされ、「上野、最高」とも読める、とファンは満足?

★「認知症サポーター」の養成、企業で盛ん
認知症の高齢者を、顧客として向き合うシーンが多いことから、従業員に「認知症サポーター」の養成、訓練を受けさせ、対応するケースが増えている。例えば、スパーのレジで、財布が見当たらず手間取っている人の対応には→(さりげなく別のレジに誘導)する。「通帳を失くした」と何度も来店する客には→(話を聞き、家族に相談する)。地元の地域包括センターと提携した対応(りそな銀行)もある。「認知症サポーター」の養成講座を実施しているのは医療、介護、自治体関係らでつくる「全国キャラバンメイト連絡協議会」。講座時間が簡単なこともあって金融機関やスーパー、農協など、6月時点ですでに58万人が受講しているという。(9.4 読売)

★100歳以上の人、5万人を超す
9月1日までに、100歳となる人は、先年より3620人多い5万1376人と厚生労働省。うち87%が女性。統計をはじめた1963年(昭和38年)には153人、平均寿命の伸びにつれ98年にT万人を突破、2009年に4万人を超えた。過去最多を更新するのは42年連続。一方、今年度中に100歳になる高齢者は2万5823人で昨年度にくらべ871人増えた。(9.14 朝日ほか厚生労働省)

★65歳以上の人、3000万人突破
1947年生まれが65歳以上をむかえ前年比102万増の3074万人。総人口の1億2753万人に占める割合は24.1%で過去最高を記録する。男性1315万人、女性が1759万人と女性が444万人多い。
(9.15現在総務省の推計 各紙)

★東京都の人口2100年には半減、太平洋戦争直前の713万に… という見出しが新聞の紙面を賑わした。しかも65歳以上が45%だから、半分近くが高齢者という光景が出現する。2010年の国税調査で、1316万だった都の人口は、20年をピークに減りはじめ、88年後の2100年には713万に落ち込むと推計した(都や自治体などによる有識研究会)。国立社会保障・人口問題研究所の2100年度時点での全国推計人口(10年から61.3%減)をもとにしているが、都道府県ごとの内訳はこれまで試算していななかった。(9.3 各紙)

★被災地3県の「がれき処理」、未だに25%、政府目標より大幅遅れ
来年3月まで6割を処理する政府目標に対して、大幅に遅れている。宮城県が28%と比較的進む一方、岩手県は21%、福島にいたっては15%にとどまっている。調べたのは、地震・津波で出た、海中の泥などを含まない、がれきの焼却・埋設の処分状況。被災地以外の広域処理では、1都9県の受け入れが決まっていつが、ペースは上がっていない。(環境省 9月7日現在)

★東日本大震災の死者は1万8877人。60歳以上が全体の6割
厚生労働省が震災後にはじめて集計した。夕刊各紙の扱いは数字のことより、ベタ記事(一段見出し)なのが気になる!               
男女別では女性1万184人、男性8693人。年代別では70代が4515人と最も多く、60代が3501人、80代が3322人など、60代以上が64%を占めた。(行方不明もまだ数千人)


▲シニアホームの「思い出の絵画」より

★「いろう」に皮膚トラブルが多発
「いろう」を付けた利用者のいる特養ホームの7割で皮膚トラブルが起きていることがわかった。昨年10月から今年7月の期間、全国の特養施設1008施設を対象に実施(回収率51%)の結果、74%で「皮膚トラブル」、73%で「たんからみ」、63%で「誤飲性肺炎」が起きていた。また24%の施設で「床ずれ」のあるひとがいた。(NPO特養ホームを良くする市民の会しらべ)

★ツアーバス、100台のうち40台に違反!
シニアの団体などで人気のバスツアーの好シーズン。国交省・関東運輸局がこの夏、東京駅や新宿駅、横浜駅など首都圏の駅で発着する高速ツアーバス100台(60社)を抜き打ち点検したところ、「運行指示書に記入がない」、「運転手の距離がオーバー」などのほか、バス車体に「社名がない」、「貸切」の表示がないものもあった。旅行業者の選定は慎重に! 関越自動車道での事故は忘れられている?

★「節電」を続けている人…は「原発の必要性が高まると困る」から?
91%の人が「節電を続けている」と答え、大震災直後におこなった同じ質問を上回った。直後の1位は「供給不足で停電なると困るから」だった。「環境にやさしい」、「家計が楽になる」、「電気の使用で原発の必要性が高まる」のほか、「震災前からの習慣」など(朝日新聞Beモニター3037人)。
日常生活における環境配慮についての別の調査でも、高齢者は「土にかえるプラスチックなどを使った商品を購入」(30ポイント)、「値段が少し高くても環境に配慮した商品を購入」(22ポイント)など、60歳代以上の約9割は「自然や環境を大事にした消費マインド」を示している。

★シルバー株が上昇、旅行関連など
株式市場でのことだが、「シルバー関連銘柄」の上昇が目立っているという。高齢者の利用がふえているスポーツ施設、トラベル、カラオケ(老人施設への納入)、訪問介護の運営会社など。日本では個人金融資産の6割を高齢者が保有しているといわれる。2011年の60歳以上の消費支出は、100兆円を超え全体の4割超を占める(第一生命経済研究所、8.29 日経)。このマーケットを「元気で財布のヒモが緩い、グランドジェネレーションGG」というそうな…どかな?「消費者被害も多い。ご注意あれ」

☆特記のない数字は、朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞を参考にしました。

★シニアウオッチング@<京橋・丸の内>
都心の秋、まるかじり
◆日時:平成24年10月14日(日) 10:00〜15:00
◆集合:東京メトロ銀座線「京橋駅」6番出口(日本橋寄り)
◆参加費:300円
◆見どころ:ブリヂストン美術館(開館50周年企画「ドビュッシー、音楽と美術」◇近代フィルムライブラリー◇再現された東京駅舎
◆昼食:新丸ビル内予定◇皇居東御苑(大手門から平川門へ)
◆入館料:ブリヂストン美術館 1300円
◆案内人:沢木清美SLA

★シニアウオッチングA<多摩丘陵 兼SLA東京総会>
秋色の多摩丘陵の雑木林を抜け、山野草の谷戸へ
多摩丘陵の自然が残る尾根緑道、鮎の道を歩き、総会(ステーキハウス・ガストを予定)
◆日時:11月11日(日)
◆場所:都立小山内裏(おやまだいり)公園(八王子市南大沢)
◆集合:午前11時 京王相模原線「多摩境駅」
◆案内人:沢木清美SLA

★第21回シニア住宅見学会
去る8月12日(日)、調布市の介護付き有料老人ホーム「レストビラ仙川」を12名が参加して約2時間にわたり見学。その後、喫茶店で懇談会を開いた。

★第33回全国一斉特設電話相談「シニアの悩み110番」
9月22日・23日の両日、全国SLA協会のSLAが相談員になり、札幌・東京・名古屋・大阪・福山・広島・福岡の7都市が合同して行う。全国シニアライフアドバイザー協会の主催、(財)シニアルネサンス財団の後援。
次号で、結果報告並びに社会提言の紹介を予定しています。

 
★老人ホーム  ★病気  ★同窓会  ★節電

「間に合ったァーッ」と叫びながら駆けこんできたひとの時計は2分遅れていた。皆が待っていたから間に合っただけなのに(5分進めろ)

有料老人ホームの「夫婦入居」で、最近、「別室」希望が増えているんだって。「別の階に」の希望もあるそうよ。老人ホームの「2世帯住宅」ってわけネ(いずれは個室)
歯科通いが終わったら今度は眼科通いがはじまって…どうしてこう続くのかしら。「院」の着くところにご縁があって困るワ。(寺にも院が多い)
新しい友達を求めるなら、「いろんな病気をした人がいいらしいワよ」…?なぜなら、闘病体験が聞けるから。お医者さんの話より、ずっとリアルで(そうかも)
露天風呂で、手術の痕を見せ会っている男性たち。胸、腹、背中…みんなで「われらサラリーマンの傷痍軍人だね」と笑った(復員兵)
感違い、思い違いはアルツではないのよね。「そんなこと、私に限って絶対にない!」と言い出したら本格的!(単なる意固地?)
原発?反対よ、「絶対反対!」。東電の値上げなんて平気。その分、「節電」で取り返してやるワ。東電なんて、やることもやらないで、値上げだけ。許せない!(節電続けて)
「夏痩せ」とは、冷房が無い時代に暑いので食が進まずやせたもの。もう死語ね。今は、「暑い、暑い」と家の中で冷房に浸っていると夏肥りになる(秋も太る)
何年ぶりかでクラス会に出たの。そしたら、隣も、その隣も内緒話みたいに耳打ちばかり。みんな耳が遠くなって…まるで耳打ちクラス会(それも良し)
「天国でも地獄でもいい。これ以上長生きていても仕方ない」とぼやく人ほど、ほんとは長生きしたいのよ。さびしがり屋なのよ。死ぬのが怖いのよネ(そうかも)

◆「暑いですね」を、こんなに連発した年も珍しい。水無月の初夏の候、文月の7月の盛夏、酷暑のみぎり、暑中お見舞い、葉月は晩夏の候、残暑。長かった夏。9月、暦の上では初秋、清涼の候となっても「暑いですね」が続いた。どれぐらい暑かったのか気象庁のデータは知らないが、昔の人びとの知恵、「暑さ寒さも、彼岸まで」を信ずれば、あと数日の我慢か? 「やっと涼しくなりましたね」と発したい(岡)

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