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No.64/2014.2.1(土)発行
発 信/SLAとうきょう

<小さな特集> 「高齢弱者」
“看護師紹介”ビジネス

  前号で「患者紹介ビジネス」というタイトルで、患者を医師に紹介する“高齢者や病人の人身売買ビジネス”の横行を朝日の記事をもとに解説しました。今回も朝日の記事ですが、慢性的な看護師不足がつづくなかで不当な「看護師紹介ビジネス」の実態を報じています(1月7日朝刊)
  記事によれば、就・転職する看護師の4人に1人が利用し、仲介する紹介業者は金券で勧誘したり紹介料を目当てに、故意に職場移転をさせたり悪質な手口で競争が過熱しているという。
  全日本病院協会によると加盟病院の7割で過去3年間に紹介業者を使い、東京、大阪などの大都市圏では8割以上が利用していることが明らかになった。
  ひとりの看護師の紹介料は約100万円が相場とか。問題なのは、病院が支払う紹介料の原資は、国民の保険料や税金からなる「診療報酬」から出ていること。医療機関の腹は痛まない。その市場規模は250億円ともいわれ、業者は全国に数百社がサイト上で競っている。
  就職してまだ数カ月しか経っていないのに、「高給待遇」の求人メールが毎日のように送られてきたり、さまざまな誘いのアプローチがあるという。一方、看護師や医者が、半年以内で辞めたことのある病院は約5割にのぼる。なかには紹介料をはらった時点で退職、同じ紹介業者で次の職場(病院)に転職が決まっていた、といったケースもあるというからひどい。

★裏目にでた「看護師不足」の対策
  実際の医療の現場ではどうみているのか?病院側は、金銭的な負担増にはならない。だが看護師がひんぱんに入れ替われば、病院によって医療器具の種類や置き場所、ルールも微妙にちがうため、「慣れるまで時間がかかる」。「医療事故にもつながりかねない」と指摘されながら、過当な競争はいっこうに止まない。なぜ、こうした市場が成り立つのだろうか?
  看護師紹介ビジネスが一気に広がるきっかけになったのは、06年の診療報酬制度の改正。厚労省は、重傷患者に高度な医療をと、看護師を手厚く配置した病院には報酬を増やす仕組みを導入したことから、病院間の看護師争奪がうまれた。施策が裏目に出たといえわれても仕方がない。公的な人材紹介機関がうまく機能していないのも紹介業者がはびこる背景だ。


▲藤木 亘「小さな画室」より/絵手紙ページはこちら

★スマホで健康管理「ログ活」って何?
  日々の食事や運動、健康状態をデジタル機器に記録(ログ)し、健康管理などをする「ログ活動」が注目され、利用者がふえている。筆者も血圧測定記録をパソコンに記録させ、グラフで示される単純なメニューを試みているが、計測するだけで記入の手間が省けるだけでも便利している。ドコモとオムロンの「ドコモ・ヘルスケア」の一部、「わたしムーブ」や、「タニタヘルスリンク」などがそれ。こうした健康データの可視化はこれからも進むと予測されている。ただインターネットを通じての通信サービスだけに個人情報などの扱いには慎重にすることが肝要だ。

★楽しく体操しながら「笑顔マイレージ・ポイント」
  高齢者が福祉施設でボランティア活動をしたり、介護予防の体操などに参加すると、商品券などと交換できるポイントがつく、題して「笑顔マイレージ」が稲城市に次いでいくつかの自治体で導入する。一種の地域通貨だが高齢者対象なのが特徴。健康体操への参加を促し、ポイントがたまる励み、地域とつながっている喜びも感じてもらえることがポイント。最近、笑顔をキーワードにした健康法が目立っている。笑顔はコミュニケーションの基本。次の話題もそうだ。

★「笑顔」が主役。「にこにこ・リハ」の効用
  介護の現場でのコミュニケーションは表情や視線、ゼェスチャーといった「非言語シグナル」が重要視される。そうした認知能力をリハビリによってさらに高める試みが始まっている。「ミラーニューロンシステム」というのだそうだ。やさしくいえば、笑顔の人をみると自分の脳の中も笑顔に、怒った顔を見れば不愉快になる脳のはたらきと使ったリハビリだ。名付けて「にこにこリハ」。表情とともに、声にも表情があるから怒鳴ったりせず、優しい声でゆっくりと。国立長寿医療研究センターの試み。【「ロハス・メディカル」より】


▲目黒区技芸展での碑文谷彫(山本尚・作)。

★ベットが「車いす」に早変わり(離床)介護ロボットお目見え
  リモコン操作で電動ベットから車いすに早変わりする「車イス付きベッド」が今春からお見得する。片方のマットレスが折れ曲がって、背もたれや足を支える部分となる。変形にかかる時間はわずか1分17秒。長さ2メートル、幅約1メートルの電動ベッドで縦に別れる。パナソニックが3年がかりで開発した、寝たきり生活から離れる『離床』の意味あいをこめた「リショーネ」。販売価格は100万円程度の予定(ヨミ・ドクター)。
  介護・福祉ロボットの市場規模は12年の約10億円から35年には約4000億円に膨らむとみている(通産省)。介護の手が足りない。「離床」ロボットにかぎらず、便利な介護ロボがドシドシうまれて欲しい。




▲陶器人形は、いずれも「目黒区技芸展」で撮影。

★認知症の6割が「アルツハイマー型」
  65歳以上の高齢者の15%にあたる462万人が認知症・・・厚生労働省研究斑の調べでわかった。認知症の原因となる病気は60〜80種類もある。なかで最も多いのがアルツハイマー型だ。また最近注目されているのが、「軽度認知障害」。「もの忘れと認知症の間」、別名“認知症予備軍”で、全国に400万人いる、と報告されている。まだ決定的な治療法が見つかっていない。「もの忘れ」は体験の一部を忘れるのに対し、「認知症」は体験の全部を忘れる。さて、どうだろうか?お医者様でも草津の湯でも・・・自己診断はさらにむずかしい。

★「ヒートショック」は、お部屋の中がキケン!
  東北の温泉で2人の男性の突然死が報じられた。原因は入浴中の「ヒートショック」現象による溺死。一般家庭の浴槽内で起こる(溺死者の数)は年間約4000人で、うち高齢者は89%(厚生労働省調べ)。さらに、原因を浴室やトイレなど家庭内でのヒートショック現象による心臓・脳疾患発作まで広げると、死亡者は全国で年間1万4000人以上(東京救急協会の推計)という数字もある。別の統計では、家庭で亡くなる死因の4分の1がヒートショックだという。住居のなかでヒートショックがおこりやすいのは風呂、トイレ、洗面所など。とりわけ風呂場はたいがい北側にあって床や壁面も冷え切っている。よく部屋を温めてから入らないとキケン!

★日本の人口、7年連続減少、過去最多の24万4千人減
  日本の人口は07年から7年連続で減少をつづけ、そのペースは年々加速している。2013年に国内で亡くなった日本人から生まれた数を引いた人口の自然減は24万4千人と推計され過去最高を更新した。一方、統計をとり始めた1989年以来、出生数は最少、死亡数は戦後では最多となった。女性1人が産む数を表す「合計特殊出生率」は1.41の水準。一方、13年の婚姻数は66万3千組、離婚は23万1千組と推計されていることから、厚生労働省は、「人口減の傾向は相当長い期間続く」とみている。

★心身充実度が一番高いのは60代 〈中高年ネット調査の結果〉
  現在の心身の健康状態を40歳以上の中高年に尋ねた結果、男女と60代で「不安はない」という答えが多く、他の世代より高いことがわかった(医療機器メーカーGEヘルスケア調べ) 全国約1600人を対象に「体と心の健康に不安があるか?」の問いに、「不安がない」「余り不安がない」と答えた割合は男性では60代が57%(女性48%)と最も高く、次いで70歳以上の51%(女性46%)、50代の40%(女性36%)の順。40代は35%(女性37%)で、男女とも最も不安が少ないのは60代だった。この数字、どう読むかの方がおもしろいのでピックアップ。

★「お医者様パソコン見ずにオレを診て」〈シニア川柳〉
  公益社団法人全国老人ホーム協会の第13回シニア川柳から。今年も13,783作品が寄せられた。もっとも多く扱われた題材は、「加齢による容姿・肉体・知力の衰え」を揶揄する句で、以前は取り上げにくかった「加齢臭」・「尿漏れ」の作品も見受けられるようになった。「もの忘れ」も題材として大人気(主催者のコメントから)。会員社の老人ホーム入居者約980名からも選句投テキスト ボックス: 票があり、20作品を入選句とした。
(以下、入選作より抜粋)

・寝て練った良い句だったが朝忘れ/保静雄(男/73歳)
・欲しかった自由と時間持て余す/藤原ノブ(女/77歳)
・お迎へと言うなよケアの送迎車/安永富男(男/84歳)
・欲しい物今じゃ優しさだけになり/宮沢淑子(女/74歳)
・症状を言えば言う程薬増え/須藤貞子(女/85歳)
・耳遠くオレオレ詐欺も困り果て/岩間之(男/60歳)
・検査あと妻のやさしさ気にかかり/細野理(男/63歳)
・お医者様パソコン見ずにオレを診て/佐藤光紀(男/74歳)

→もっと、笑いたい方はこちらのサイトへ。 

☆特記のない数字は、朝日、毎日、読売、日経、産経、東京新聞を参考にしました。

最近、月日の経つのがとても早く感じるの。この早さなら、東京オリンピックまで生きていられそうな気がする。私、大丈夫だって自信が湧いてきましたの(大丈夫)

初詣で、「しまった、10円玉持ってくるのを忘れた!」。「お札でもいいのよ」と仲間。「いや、ワシ、賽銭箱の音聞きたいんだ」(1円も、音軽い)

七福神のどの神様にいちばん熱心に拝んだか?トップは「布袋さま」。左の頭を何度もなでました。これで安心!「もうボケよ、サヨウナラ!」(また明日)
「ログ活」の話をしたら、「つまり、医者要らずってわけネ?」。むかし、「猫イラズ」っていうネズミ捕りがあったわね。今や死語だけど・・・と話が大発展した(死語再生)

「夫と一緒の墓に入りたくない」ひとが、20年前の40%から60%にふえているとNHKのアサイチでのアンケート。「あの世では絶対声をかけないで」の川柳も(逆もある)

黒柳徹子さん。テレビのインタビューで、「男友達は20歳から25歳ぐらい下の男性がいいワ。だって、それ以上私の年に近いと荷物持ってもらえないもの(納得)

「ヒートテック」はユニクロのあったか下着。「ヒートショック」は、体温の急な変化で心臓障害などをおこすキケンな話。一番風呂はキケン!だと言う。でも・・・独り暮らしや老夫婦だけだったら、いつも一番風呂!(お先にどうぞ)

脳ドックの結果、画像を見せながら、「脳梗塞や腫瘍のようなものは、ありませんよ。年齢相応のスキマがあるだけですね。」と医者(そのスキマが問題)
「待機児童をゼロにする!」、「原発をゼロにする!」、「特養老人ホームを増やす!」、「安全で美しい都市をつくる!」と都知事候補者らの街頭演説(全部やるひとがいい)

★全国一斉 特設電話相談室 シニアの悩み110番
全国SLA協会のSLAが相談員になり、札幌・東京・名古屋・大阪・福山・広島・福岡の7都市が合同して行う。全国シニアライフアドバイザー協会の主催、(財)シニアルネサンス財団の後援。今回で第36回目。その結果報告は、いちはやくまとめマスコミを通じて社会提言する。

◆日時:平成26年3月22日(土)・23日(日)
◆主催:シニアライフアドバイザー協会
シニアライフアドバイザー(SLA)が組織する協会は、現在、北海道・東北・関東・中部・関西・東中国・中国・九州の8地域で活動しています。「全国シニアライフアドバイザー協会」は各協会が連携しながら社会貢献をするために設立された組織。社会に向けた活動の一つとして春3月、秋9月、年2回全国一斉特設電話相談「シニアの悩み110番」を実施しています。
◆お問い合せ:シニアライフアドバイザー協会 事務局(石寺弘子)
【電話】090−5999−7662(石寺)
【E-Mail】slanet428zenkoku@gmail.com?
【住所】東京都千代田区九段南3-5-10 九段菊江ビル6F(財)シニアルネサンス財団内

★関東SLA協会 NPO化10周年記念フォーラム
◆日時:平成26年3月28日(金) 13:00〜17:00
◆会場:飯田橋ボランティアセンター10階
◎第一部:【講演】行政の現状と今後の協会のあり方
◎第二部:【講演】協会の歩みを振り返る
◎第三部:【フォーラム】これからの高齢社会で、協会として何をなすべきことはなにか

★在宅ケアへの住民互助ボランティア組織化を考えるセミナー
@在宅有償ボランティアA認知症と住民ボランティアをテーマに。

◆日時:平成26年3月22日(土)
◆会場:サニー会議室(JR神田駅西口徒歩3分)
◆参加費:無料
◆お問い合せ:048-831-8619(NPOさいたまSLAの会/近藤)

★「いい声、いい人生」をテーマに健康講座
発声、顔面体操、合唱、気功

◆日時:平成26年3月9日(日)14:00〜
◆会場:昭和女子大3号館(世田谷区三軒茶屋)
◆受講料:600円
◆お問い合せ:0449-75-7505(世田谷生きがいの会/沢木清美)

★【報告】シニアウォッチング 初詣in神田明神
去る1月19日、寒空の下、18名が参加、ニコライド堂から湯島聖堂、神田明神、妻恋神社、麟祥院(春日局の墓)を歩き、蕎麦処で「へぎそば」を食べながら交流しました。


▲写真は神田明神を背に集合写真

《SLA東京の行事カレンダー》

■シニア住宅見学会
グループ初の住宅型ホーム(サ付住宅)。5階建、機能訓練室、屋上庭園などを持つ(下車駅注意)。近くの身代わり地蔵は年中賑わい。

◆日時:平成26年2月16日(日)
◆行き先:「フローレンスケア溝の口」
◆集合:田園都市線「梶が谷駅」改札、午前11:00

■シニアウオッチング〜花見と歴史散歩〜
グループ初の住宅型ホーム(サ付住宅)。5階建、機能訓練室、屋上庭園などを持つ(下車駅注意)。近くの身代わり地蔵は年中賑わい。

◆日時:平成26年3月30日(日)
◆行き先:せせらぎの「大岡山 洗足池公園」、「勝海舟の墓」ほか
◆集合:「フローレンスケア溝の口」(田園都市線「梶が谷駅」改札)に、午前11:00集合
◆集合:東急大井町線・東急目黒線「大岡山駅」改札(東工大側)、午前11:00
◆案内人:沢木清美SLA
★要予約

■新規開店!おしゃべりサロン(だべり場)
4月下旬開催予定。テーマ、企画を募集中。


◆庭の片隅のまだ固く冷たい地面に「ふきのとう」を見つけ、さっそく春の香を楽しませていただいた。ほめられることのない花。しかし夏には茎が食卓にのぼり、時に葉は虫に与え、小動物の恰好の日傘となる。電力エネルギーも、こんな質素な循環でうまく回るような仕掛けできないものだろうか(岡)

SLAの情報交差点
【発行人】代表/荒木正人   【編集人】広報/岡田久男
■SLA東京・事務局■
〒143-0025 東京都大田区南馬込4-12-8 (有)新生アドバイザー内
TEL:03-3771-8278/FAX:03-3771-8278/E-mail:sla-tokyo@ozzio.jp