シニア電話相談をしていると家族のコミュニケーションに関する相談が多くかかってきます。前回も述べているように『“あいまい”なコミュニケーション文化』が原因になっている場合が多いように思われます。
夫婦の間で良く言われている“三語族”ですが、“ア・ウン”の呼吸で多くを語らずとも夫婦の間では分かって当然だと言う亭主族が多く、そのことが嫌われていると良く言われています。“フロ・メシ・ネル”の三つの言葉しか話さない。話したら損をすると思っている人達ですが、こんな亭主をもった奥様こそ迷惑なものです。当然「私の人生っていったい何だろう」と言う事になります。
この疑問が高じてくるとお互いに口を聞かなくなったり、家庭内別居が始まったり、あるいは奥様の家出がはじまったり。こういうことが度重なり、定年退職と同時に離縁状を突きつけられるという現実が待っているだけとなるのです。
いくら会社で激しい議論や部下や上司とのコミュニケーションで疲れたからといって、家庭では“沈黙は金なり”とばかりに無口になられても困りものです。
欧米のようにやたらと奥様に話し掛けるには照れくさいとか、言わなくても分かるだろうとか言っていると、前述のごとく大変なことになります。“アイ・ラブ・ユー”と言わないまでも、「今日の夕食は美味しかったよ」とか「有り難う」とか「今度の結婚記念日には外食でもしょうよ」とか(もっとも結婚記念日をご存知の亭主は少ないと思われますが)思い切って言ってみる事です。
奥様がどんなに喜ばれるか考えてみてください。あるいは、立場を変えて考えてみてください。貴方が奥様の立場で“フロ・メシ・ネル”の三語しか聞けなかったらどんな悲しい気持になるでしょう。このメールを見てからでも遅くはありません。見たから良かったのです。今日から奥様を大切に致しましょう。
欧米並みとは申しませんが、せめて何分の一でもいいから「ただいま・美味しかった・有り難う・おやすみ」を今日から実行してみてください。
そして、慣れてきたら徐々に夫婦のコミュニケーションの輪をひろげていってみてください。きっと早く家に帰りたいと思うような素敵な奥様の笑顔がみられる筈です。
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