私たちの暮らしの中でよく使う衣類用防虫剤は4種類に分けられます。それぞれの特長や使用上の注意に気をつけて、衣替えの季節に使いたいものです。
繊維を食べる昆虫類はイガ、ヒメマルカツオブシムシなど約50種。夏の盛りが活動期ですが、現在は冷暖房の普及で年間を通じて何らかの幼虫が生きているのです。
私たちは物理的に掃除や食べ物の管理、虫干しやシミ取りをして昆虫の好きな食べ物を除いたり、防虫剤を使って虫を寄せ付けないようにしています。

■主な防虫剤の特長と使い方
◇無臭性タイプ……エムぺントリン(ピレスロイド系)
製品名 ── ゴン、ペーパースリン
効き目は長く約6〜12ヵ月。(製品により異なります)
ニオイがつかないので洋服ダンスや衣装ケースに適しています。
※ 取替時期を忘れがちなのでインジケーターやシールを確かめて有効期限をチェックしましょう。
◇有臭性タイプ……パラジクロロベンゼン
製品名 ── パラゾール、ネオパラ、モスノー
効き目は約3〜6ヵ月。(収納場所により異なります)
効果が早くウールや絹素材の衣類に適しています。
※ ナフタリン、樟脳と併用はできません。50度以上になると溶けてシミになることがあります。
 【ナフタリン】効き目は約5〜12ヵ月(製品により異なります)。効き目がゆっくりと持続していくのが特徴。収納期間の長いフォーマルウェアやひな人形などに適しています。
※ ラジクロロベンゼン、樟脳と併用はできません。
 【 しょうのう(樟脳)】効き目は約5〜6ヵ月。防虫剤の中で自然の芳しい香気を有して、ウールや絹素材の衣類に適しています。
※ パラジクロロベンゼン、ナフタリンと併用はできません。金糸、銀糸、金箔には直接触れないようにご使用下さい。
 <日本防虫剤工業会の資料を参照>

防虫剤には、以上のようにいろいろな種類があります。特長や適正使用量などを知り、正しく使うことが大切です。例えばエムぺントリン以外の防虫剤は二種類を一緒に使うと化学反応をおこし、溶けて衣類を汚すこともあります。使用の際は防虫効果、人間の健康、環境への影響を考え、一部屋にまとめ、気密性の高い密閉容器を使いましょう。
衣類の保管の基本は、家の中や衣類を清潔にして、虫を寄せ付けない日頃からの手入れです。


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