戦後の平均年齢は50歳でした。それが半世紀の間に約1.6倍にもの伸び、誰にとっても「介護」は身近な問題となりつつあります。また、今まで介護は「女性の問題」と認識されてきましたが、少子化や女性の社会進出などが家族の介護力を低下させ、男性も多かれ少なかれ家族介護の一翼を担わざるを得なくなってきました。企業の「介護休暇」もあいまって、自分の親を妻や嫁まかせにしてきた男性が介護に積極的にかかわるようになってたことは注目されます。
今、多くの自治体で住民を対象にした「介護教室」が開かれています。将来、自分の家族が「寝たきり」や「痴呆」になった時の為に介護の知識や介護の技術を習得しておき、いざというときに困らないようにしようという人、既に自宅に介護者を抱え、よりよい介護の方法を身につけて実践しようという人、ホームヘルパーの資格取得をめざす人など、参加者の目的は様々ですが、受講希望者は男性や若者を含め増えつつあります。
「介護教室」では介護する立場、介護される立場の両方を体験したり、介護に必要な介護機器に実際に触れて見ることができます。たくさんあるベットの中でも、食事の時に上半身を起こすことや、車椅子の高さにベットを水平に動かすことがリモコンで簡単に操作できる電動ベットは介護の必需品であることが実感できます。また、車椅子もトイレも実際に動かしてみる、腰掛けてみるとその使い勝手の違いがよくわかります。
こうした介護の仕方や便利な介護機器の情報については、いざ必要になってからでは間に合いません。健康で時間の余裕のある時に「介護教室」で知識と技術の習得と情報の収集をしておくことが大切でしょう。住民みんながボランティアになる為の第一歩でもあるといえるでしょう。
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