40歳以上の国民のだれしもが保険料を一生払い続ける介護保険の施行を来年に控え、人口10万人以上の市の8割が「2000年4月に予定通り実施すべき」とするのに対し、5,000人未満の町村では基盤整備への不安から「延期」を望む声が多く、まさに介護保険をめぐって全国の市町村が揺れています。

さらに選挙絡みで政府の中からも「延期」や「見直し」論が出たり、市町村の介護保険試算「1号被保険者」のあまりにも大きな格差に「保険料が高額になる自治体には一定の補助も考える」等の国の意向を示したり、「家族介護には現金給付を認めない」としてきた方針を、
1)介護者にホームヘルパーの資格があること。
2)介護サービスの事業者に登録し、少なくとも半分以上は家族以外の人に対してホームヘルプサービ
 スを行う。
3)介護者は第三者のケアマネージャーが作成したプランに基づいて進める。
4)家族が介護せざるを得ない状況であることを市町村が認める。
等の条件を満たした場合に限って家族介護を認めるとした今回の厚生省の方針は、事実上の現金給付を認めることになり介護保険の理念の大展開と言えます。

さらに介護保険は要介護認定を受け、「自立」と判定されれば介護保険を利用できませんし、「要支援」と判定されれば特別養護老人ホームや老人保健施設や療養型病床群などの施設サービスを受けることができなくなりますが、認定のモデル事業の結果から実態とかけ離れた認定結果が出ることに現場からは不安と戸惑いの声が出ており、更なる調整が望まれています。
日経新聞社が6月11日から13日に行った全国世論調査では、「保険料の負担を知らない」等具体的な内容について知らない人が52%にものぼるという結果でした。「被保険者の意見をよく聞くこと」との付帯決議が明記された介護保険法を真に私たちのものとする為に、関心を持ち意見を出していく必要があります。


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